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ダービー馬エイシンフラッシュの半弟カラータイマー

  • 2010年12月14日(火) 00時00分
●エムオーファミリー(牝 美浦・古賀慎明 父ゼンノロブロイ、母ファミリアーストーリー)
 母ファミリアーストーリーは「Kingmambo×Assert」という底力あふれる配合で、3代母Martessanaはターゴワイスの半妹にあたる良血。ポテンシャルの高さを感じさせる繁殖牝馬だ。これにゼンノロブロイを交配して誕生したのが本馬。父は重厚な血を持つ繁殖牝馬との間に大物を出す傾向があるので、全体的な印象としては悪くなく、Halo≒Sir Ivor 3×4も好ましい。芝向きの中距離馬。

●エメラルドインディ(牝 美浦・久保田貴士 父アグネスタキオン、母グリーンインディ)
 半兄ダイナミックグロウ(父テイエムオペラオー)は白山大賞典5着馬で、2代母Valtheaは名種牡馬Green Dancerの半妹にあたる。「アグネスタキオン×A.P.Indy」という組み合わせはヒカルアマランサス(京都牝馬S-GIII)と同じ。父方のロイヤルスキーと母方のLassie Dearは血統構成が似ているので、組み合わせとして見どころがある。1600〜2000mあたりに強そうな配合。芝適性も問題ない。

●エーシンシルビア(牝 栗東・坂口正則 父スペシャルウィーク、母エイシンサンサン)
 半姉エーシンリターンズ(父キングカメハメハ)は重賞勝ちこそないものの、桜花賞(GI)、ローズS(GII)、チューリップ賞(GIII)でいずれも3着となった。母エイシンサンサンは小倉3歳S(GIII)の勝ち馬だが成長力があり、古馬になってから朝日チャレンジC(GIII)2着、エリザベス女王杯(GI)3着などの成績を残した。本馬の父はスペシャルウィーク。サンバレンティンとインティライミ(いずれも父スペシャルウィーク)の兄弟を産んだアンデスレディーは、ノーザンテーストとRed Godを持っている。本馬の母エイシンサンサンもノーザンテーストとホイスリングウインド(Red Godの全妹)を持っている。配合の骨格が似ているので期待できるだろう。

●カラータイマー(牡 美浦・藤沢和雄 父アグネスタキオン、母ムーンレディ)
 半兄エイシンフラッシュ(父King's Best)は日本ダービー(GI)と京成杯(GIII)の勝ち馬。母ムーンレディはドイツ産馬。ドイツ血統は、世界的に主流を形成している米英愛仏とは異質の、狭いドイツの閉鎖的な環境のなかで育まれた独特の血統。現代の血統のなかでドイツ血統の果たしている役割は大きく、日本でもマンハッタンカフェやブエナビスタなどはドイツ血統を含んでいる。本馬の父はアグネスタキオン。オールドスタイルのヨーロッパ血統と相性のいい種牡馬なので期待が持てる。芝向きの中距離馬。

●ベストクローン(牝 美浦・杉浦宏昭 父ディープインパクト、母オースミシャイン)
 半姉アズマサンダース(父サンデーサイレンス)は京都牝馬S(GIII)を勝ち、桜花賞(GI)で2着となった活躍馬。母オースミシャインは中山牝馬S(GIII)の2着馬で、マジックキス(北九州記念-GIII)の半姉にあたる。牝系のポテンシャルは高い。本馬の父ディープインパクト、母の父シンボリルドルフは、いずれも日本競馬史に名を刻む名競走馬。どんな走りを見せてくれるのか興味深い。芝向きの中距離馬。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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