ニューイヤーC(1月12日 浦和 サラ3歳 定量 SIII 1600m)
「ニューイヤーC」は、その名の通り明け3歳馬による南関東初重賞。今年第54回目の歴史を重ねる。各年かなりレベル差はあるものの、“小回り浦和1600m”というイメージ以上にインパクトの強い馬が勝ってきた。84年キングハイセイコー(2冠馬)、89年ロジータ(3冠馬)、94年カネショウゴールド(東京ダービー)、95年ヒカリルーファス(羽田盃)など…。今年はまだ3歳勢力図が混沌として見えづらく、そんな年だからこそ、ここで新星誕生の期待も出てくる。スピードと切れ、器用さと勝負根性、いわゆる“総合能力”が問われるレースと定義したい。
(1)…波乱含み。1番人気[2-1-3-4]、2番人気[2-3-1-4]、3番人気[2-0-1-7]。典型的な上位拮抗で、大波乱はない反面、どこかに伏兵が食い込んでくる。
(2)…船橋優勢。船橋=5勝、2着3、川崎=3勝、2着4。2場所拮抗の数字だが、人気になった馬の信頼度で前者リードか。他は浦和=1勝、2着2、大井=1勝、2着1。
(3)…経験が必要。優勝馬の平均キャリア5.1戦、同2着馬6.3戦。デビューから無傷で突破したのは04年ベルモントストーム(3戦3勝)ただ1頭。道営出身馬が2勝、2着2。
(4)…先行捲り。逃げ=4、先行=8、差し=8、追込み=0。連対16頭を“先行”“差し”と分類したが、大半は3〜4コーナー一気の捲り。瞬発力と機動力が要求される。
※データ推奨馬
◎ダブルオーセブン…道営デビュー、JRA芝「すずらん賞」勝ちを含むみ5戦3勝。昨暮れ船橋名門・川島正行厩舎に移籍した。1600mベストを思わす瞬発力。今回まだ半信半疑の評価で、2〜3番人気か。初戦が妙味。
◎キスミープリンス 54御神本
○ダブルオーセブン 54戸崎
▲リョウウン 54山田信
△ドラゴンウィスカー 54水野
△シービスティー 54左海
△ゴールドスガ 54町田
イチバンボシ 54真島
アールルイス 54今野
キスミープリンスで確勝のレースになった。「鎌倉記念」圧勝、続くGI「全日本2歳優駿」3着。正直、前者を勝った時点ではレベル微妙…と思えたが、後者の結果が出てみると、それはまったく違っていた。道中馬群の中でスムーズに折り合い、直線GOサインと同時に小気味よい伸び。1600m1分41秒8なら時計的にも胸が張れ、何より現実にJRA一線級(ガムラン、トウショウクラウン)を押さえている。素直で利口。完成度、学習能力がきわめて高く、レースぶりに隙がないこと。地元(浦和)生え抜き、久々に現われたスター候補といえるだろう。今後クラシック制覇に届くかは成長力しだいだが、小柄(440kg台)なりにバランスのいい馬体で、血筋もノーリーズン(ブライアンズタイム産駒の皐月賞馬)×フジキセキなら、単なる早熟型とは思えない。いずれにせよ現時点で小回り1600mベスト。きっちり勝って夢をつなぐ。
ダブルオーセブンは、前述通り道営エリートの戦歴で、今回川島正行厩舎から再スタートする。父ダイタクサージャンはかつてシャイニールック(東京湾C)を出しており、その連想からは同馬もダート1600mにイメージが合う。
▲にとったリョウウンは、大井準重賞「ゴールドジュニアー」を勝ち、「ハイセイコー記念」2着。前走2歳優駿こそ失速(7着)したが、南関東同士、すんなり行ける展開なら巻き返しがあって不思議ない。同馬はいかにも浦和向きだ。
以下、鎌倉記念2着(2番人気)、キスミープリンスに1.1/2馬身差で続いたシービスティー、道営2勝、平和賞2着、2歳優駿でもソコソコの競馬をしたドラゴンウィスカー。血統面に注目すれば、ゴールドスガ(父ゴールドアリュール、兄ビクトリースガ)まで可能性が浮かぶ。