船橋記念(1月19日 船橋 サラ4歳以上 別定 SIII 1000m)
「船橋記念」は、06年から1800m→1000mと、大きく条件変更されたリニューアル重賞。古くはアラブ系で行われ、ローゼンガバナー、ヨシノスカレー、コスモノーブルら“怪物級”が驚異的な強さを見せ、ファンの喝采を浴びてきた。
あまり古いことを書いても仕方ないが、記者個人的にはレース名をそのまま継承には違和感がある。現在の「船橋記念」は創設時とまったく別物。それなら、今行われている“電撃5ハロン”には新タイトルが必要と思う。もう一つ、地方競馬ビギナーが戸惑ってしまう懸念もある。例えば川崎記念、浦和記念は、中〜長距離の交流G。大井記念もSII・2600mだから一応の格を持ち、この3つは各競馬場・代表レースとたぶん誰もが認識する。対して船橋記念1000mは、はたして“船橋の名刺”になるのかどうか。イメージとすると、3月「ダイオライト記念=JpnII・2400m」あたりがそのタイトルにふさわしい。地方競馬ではチャンピオンコースを誇る船橋競馬場。その“記念”というなら、1000mはあまりにスピーディーすぎて素っ気ない。
(1)…波乱含み。1番人気=6、4、9、1、2着、2番人気=3、2、2、5、1着、3番人気=4、7、4、2、3着。昨年こそ人気馬の決着だが、全般傾向としては過信できない。
(2)…船橋VS大井。ホーム船橋=3勝、2着2はイメージ通り。ただ特筆は大井所属馬で、1勝して2着3。昨年は優勝スリーセブン以下、ワンツースリーで決着した。
(3)…意外に高齢。4〜8歳馬、1年ごとに優勝馬が変わっている。2着は6〜8歳馬がなぜか独占。経験がモノをいう部分もあるか。4歳連対はスパロービートだけ。
(4)…格を重視。A1=57、A2=55、A3=53の別定だが、連対10頭中、7頭がA1馬。逃げ=3、先行=1、差し=5、追込み=1。位置取りより“決定打”が問われるか。
※データ推奨馬
◎フジノウェーブ…JBCスプリントの勲章はひとまず置いても、狙いを絞った復帰戦。高齢もデータ上は気にならず、鞍上・御神本Jとのコンビで13勝をあげている。前述通り大井所属馬が例年ハイアベレージ。
◎ナイキマドリード 57川島
○ジーエスライカー 55坂井
▲フジノウェーブ 57御神本
△スリーセブンスピン 57真島
△ケイアイジンジン 55C・デムーロ
△コアレスピューマ 53本橋
△セイコースペシャル 53山田信
ディアヤマト 57石崎駿
ブライトフェース 55今野
ナカヤマパラダイス 57戸崎
ナイキマドリードを信頼する。昨秋「JBCスプリント」2着。確かに勝ち馬サマーウインドは別格だが、マドリード自身も外枠から力の先行。JRA短距離界の顔であるミリオンディスク、スーニを完封だから文句ない。レース自体、地方ダートGとしては最高レベルで決したこと。当時1000m58秒5の時計も、深めの馬場を思えば(クラシック1800m・1分49秒9=スマートファルコン)、究極に近いだろう。そして続く「オーバルスプリント」完勝。力走の反動どころか、さらに凄みを増したレースぶり。今回同じSIIIで別定57kgは、いかにも恵まれている。
相手はジーエスライカーをとった。1000m〜1200m3勝、東京盃レベル(大井1200m=1分11秒0)の時計がある4歳馬。同馬の場合、特筆すべきは、昨春クラシック登竜門「京浜盃」も制した絶対能力で、速さと強さを両面備える点だろう。昨暮れJRA「カペラS」挑戦も貴重な経験(結果大敗ながら4コーナーまで先頭)と考えたい。
フジノウェーブは前述通り5歳時に「JBCスプリント」を勝っている。ただ今回長休明けに加え(昨春かしわ記念以来)、年齢とともにだいぶズブさが出てきた事実。格と貫禄を買っても、めまぐるしい1000mmでは▲以上に推し切れない。
それなら昨年の覇者スリーセブンスピンがむしろ妙味か。こちらはテンのダッシュと加速力がすべてのタイプで、この条件なら迷いのない怖さがある。以下、一昨年「アフター5スター賞」を制したケイアイジンジン、軽量53kgをフルに生かしてコアレスピューマ。前者は今回川島正行厩舎へ移籍して再スタート、短期免許C・デムーロJの手綱にも大きな興味がわいてくる。