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桜花賞馬を母に持つキンカメ産駒メイショウチルチェ

  • 2011年02月01日(火) 10時00分
●アイルビーファイン(牝 栗東・笹田和秀 父アグネスタキオン、母ヴァージニー)
 母ヴァージニーはブラジルの3歳牝馬チャンピオンで、その後アメリカへ渡り、ビヴァリーヒルズH(米G1・芝10f)を勝った。これまでに日本で3頭の産駒が走っているが、JRAで勝利を挙げたものはいない。やや重苦しいところが伝わっているように見える。本馬の父はアグネスタキオン。母の父の父Allegedとは相性がよく、2代母の父Baroniusのようなオールドタイプのヨーロッパ血統ともフィットする。母方の底力を引き出してスピードを加えることができればおもしろい。

●アメージングティナ(牝 栗東・平田修 父キングカメハメハ、母ライクリーティナ)
 2代母ヘバはフェアリードール(トゥザヴィクトリー、サイレントディール、ビーポジティブなどの母)と4分の3同血の関係にある。ヘパはヘッドライナー(10年CBC賞-GIII)の母となった。本馬はトゥザグローリー(10年中日新聞杯-GIII、10年有馬記念-GI・3着)と血統構成が非常によく似ている。両馬とも「キングカメハメハ×サンデーサイレンス」で、2代母は4分の3同血のヘバとフェアリードール。ほとんど同血に近い。トゥザグローリー級とはいかないまでも、いいところまでは出世しそう。

●グローリアスローズ(牝 栗東・音無秀孝 父ロックオブジブラルタル、母グローリアスデイズ)
 母グローリアスデイズは重賞こそ勝てなかったものの、ローズS(GII)とフローラS(GII)でそれぞれ2着と健闘した。重賞を3勝したリンカーンの全妹、皐月賞馬ヴィクトリーの半姉という良血なので繁殖牝馬としての可能性を感じる。「ロックオブジブラルタル×サンデーサイレンス」は勝ち上がりがよく無難に走っているので期待できそうだ。芝向きの中距離タイプだろう。

●プレミアムテースト(牡 美浦・堀宣行 父ディープインパクト、母ジャッキーテースト)
 母ジャッキーテーストはJRAで4勝を挙げ、重賞にも出走した経験がある。その半姉にはアメリカで重賞を6勝し、ジャパンC(GI)でも5着と健闘したMaxzeneがいる。Maxzeneは若くして死亡してしまったので、その分もジャッキーテーストには頑張ってほしいところ。本馬の父ディープインパクトは、いまのところアメリカのスピード血統が主体の繁殖牝馬と良駒を出す傾向が見られる。本馬はヨーロッパ血統が主体。ただ、Rivermanが入るパターンは好ましい。芝向きの中長距離タイプ。

●メイショウチルチェ(牝 栗東・松永幹夫 父キングカメハメハ、母チアズグレイス)
 母チアズグレイスは6番人気で桜花賞(GI)を勝ち、5番人気のオークス(GI)でも2着となった活躍馬。初子のチアズガディス(父フレンチデピュティ)、2番子のメイショウカガリビ(父シンボリクリスエス)はいずれも1勝ともうひとつの成績。本馬の父はキングカメハメハ。昨年リーディングサイアーに輝いた名種牡馬なので、これまでの2頭とは違った結果が出る可能性がある。「キングカメハメハ×サンデーサイレンス+Lyphard」はローズキングダム(10年ジャパンC-GI、09年朝日杯FS-GI)と同じ。期待十分。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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