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サクラプレジデントの4分の3弟、ディープ産駒サクラアルディート

  • 2011年02月08日(火) 00時00分
●アティロン(牝 美浦・杉浦宏昭 父サクラプレジデント、母チヨノビンコ)
 半姉ルナロッソ(父キングヘイロー)は1000万条件で堅実に走っている。2代母パルブライトは新潟記念(GIII)、函館記念(GIII)の勝ち馬。派手さはないものの良牝系だ。父がキングヘイローからサクラプレジデントに替わったので、芝中距離向きの適性が前面に出てくるだろう。“母の父フレンチデピュティ”は成功を収めており、スズカコーズウェイ、ブレイクランアウト、アニメイトバイオ、ビッグバンといった活躍馬が出ている。芝向きの中距離タイプ。

●オーシャンパワー(牡 栗東・石坂正 父マヤノトップガン、母リターンキャスト)
 全兄オーシャンエイプスはきさらぎ賞(GIII)4着、東京新聞杯(GIII)5着などの成績がある。母リターンキャストの半弟にはセントウルS(GIII)を勝ったゴールデンキャストがいる。本馬はRed GodとNijinskyのニックスを持つほか、Kelley's Day≒Virginia Hills 3×4という相似な血のクロスを持つ。配合のレベルは高い。兄オーシャンエイプスは2年半にわたる長期休養が痛かったが、それでも復活して東京新聞杯(GIII)で5着。能力は高い。弟には兄を超える活躍を期待したい。

●クリサンセマム(牡 栗東・藤原英昭 父ディープインパクト、母ミスペンバリー)
 母の父Montjeu、2代母の父ハイエステイトはともにエプソムダービー馬を送り出した経験のあるスタミナ豊かな種牡馬。母ミスペンバリーは未勝利馬だが、Special=Thatch 4×4という同血クロスがあるので繁殖牝馬としては期待できる。父ディープインパクトはスピード豊かなアメリカ血統と相性がいい。本馬のような血統から走る馬が出るとすれば、底力あふれる本格派になると思われる。

●サクラアルディート(牡 栗東・岡田稲男 父ディープインパクト、母セダンフォーエバー)
 中山記念(GII)をレコード勝ちするなど重賞を3勝したサクラプレジデント(父サンデーサイレンス)の4分の3弟、オールカマー(GII)2着のサクラナミキオー(父リズム)の半弟にあたる。繁殖牝馬として優れた能力を発揮する母セダンフォーエバーは、サクラチヨノオー(88年日本ダービー-GI、87年朝日杯3歳S-GI)とサクラトウコウ(86年七夕賞-GIII)の全妹であり、血統的なポテンシャルはきわめて高い。本馬は21歳時の産駒という点がネックではあるものの、注目のディープインパクトを父に持つので、芝中距離でハイレベルなパフォーマンスを期待できる。

●リバレイション(牝 美浦・尾関知人 父タニノギムレット、母アマゾンリブ)
 母は未勝利馬で、近親にもこれといった活躍馬はいない。しかし、配合的には期待できるところがある。「タニノギムレット×ヘクタープロテクター」はゴールドアグリ(06年新潟2歳S-GIII)、レッドアイ(準OP)が出ている相性のいい組み合わせ。母方にRivermanを持つタニノギムレット産駒には女傑ウオッカがいる。期待してみたい。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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