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ディープインパクトとエアグルーヴの血を引く超良血サトノユリア

  • 2011年03月01日(火) 00時00分
●アクアピューラ(牡 栗東・吉田直弘 父Fusaichi Pegasus、母Aqua D'Amoure)
 母Aqua D'Amoureはオーストラリア産馬で、現役時代にMRCフューチュリティS(豪G1・芝1600m)、AJCヴィリアーズS(豪G2・芝1600m)など4つの重賞を制した。父はダート中距離向きのFusaichi Pegasusで、本馬はDanzig 3×3という強いクロスがある。同じ「Fusaichi Pegasus×Danehill」のガブリンのように、基本的には芝・ダート兼用であるものの、最終的にはダート短距離に落ち着く、というタイプかもしれない。

●カレラ(牡 栗東・須貝尚介 父ディープインパクト、母オステアアンティカ)
 3代母オールドスタッフはベガ(93年桜花賞-GI、93年オークス-GI)の半姉にあたり、近親にアドマイヤベガ(99年日本ダービー-GI)、アドマイヤドン(GIを7勝)など多数の活躍馬がいる。父ディープインパクトはアメリカ血統と相性がいいので、そうした血で固められた本馬の配合には好感が持てる。My Charmer、Mr.Prospector、Rivermanを持つのは強調材料。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

●キャノンビスティー(牡 栗東・矢作芳人 父アグネスタキオン、母ダイヤモンド)
 母ダイヤモンドは米未勝利馬だが、名繁殖牝馬ダンシングキイ(ダンスパートナー、ダンスインザダーク、ダンスインザムードの母)の全妹にあたるキーフライヤーを母に持つ良血。近親にスズカマンボ(05年天皇賞・春-GI)がいる。母方にKey to the Mintを持つアグネスタキオン産駒といえば日本ダービー馬ディープスカイの名が挙がる。母方はスタミナに恵まれており、これが決め手の甘さという方向に出なければ楽しみが大きい。芝向きの中距離タイプ。

●クイーンオリーブ(牝 美浦・牧光二 父マンハッタンカフェ、母オリーブブランチ)
 「マンハッタンカフェ×Machiavellian」という組み合わせは過去2頭しかデビューしていないが、そのなかからメイショウドンタク(10年天皇賞・春-GI・3着)が出ている。マンハッタンカフェ産駒のHaloクロスは成功しており、また、Ribot系を母方に入れる配合も悪くない。母がMr.ProspectorとNorthern Dancerの組み合わせを持つのも成功パターンのひとつ。全体的によく出来た配合なので期待できるだろう。芝向きのマイラー〜中距離タイプ。

●サトノユリア(牝 栗東・平田修 父ディープインパクト、母ソニックグルーヴ)
 母ソニックグルーヴは不出走馬だが、その兄弟にアドマイヤグルーヴ(03年、04年エリザベス女王杯-GI)、ルーラーシップ(11年日経新春杯-GII)、フォゲッタブル(09年ステイヤーズS-GII)がいる。2代母エアグルーヴは年度代表馬、3代母ダイナカールはオークス馬という日本屈指の超牝系。「ディープインパクト×フレンチデピュティ」はこれまで1頭しかデビューしていないが、その馬ボレアスはダートで2勝を挙げてOP入りを果たしている。相性は良さそうだ。本馬と4分の3同血(父が同じで母同士が親子)の関係にあるグルヴェイグはエルフィンS(OP)3着。この牝系とディープインパクトはフィットしそう。芝向きの中距離タイプで大物感がある。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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