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東京スプリング盃・展望

  • 2011年03月07日(月) 00時00分
 東京スプリング盃(3月9日 大井 サラ4歳以上 別定 南関東SIII 1400m)

 「東京スプリング盃」は、形式上、昨年が“第1回目”の新設SIII。同時に作られた「東京スプリント=交流JpnIII」、そのトライアルという位置付けで再スタートした。ただ実質は、すでに19回の歴史を持つ「東京シティ盃」をそのまま受け継ぐ。距離1400m、格による別定重量。なにやらこんがらかるような説明で申しわけない。いずれにせよ、今回データは、シティ盃(平成13〜21年)を加えた“10年間”でまとめた。こんがらかる理由。説明下手は一つ記者責任として、新設レースのネーミング自体、どうも毎回すっきりしない。スプリング=スプリントは語感として紛らわしく、そこにわざわざ“東京”をつけるのだから、わかりにくいに決まっている(少なくとも耳で聞いて)。年月を経てファンに浸透するのかどうか。もうひと工夫、なるほどと思わせるタイトルが正直ほしい。

 (1)…波乱含み。1番人気[5-2-0-3]は合格点以上だが、2番人気[1-2-3-4]、3番人気[0-1-2-7]。いわゆる“ヒモが狂う”傾向か。

 (2)…大井VS船橋。大井=6勝、2着6、船橋=3勝、2着4。他は17年に川崎が1勝だけ(ブルーローレンス)。ほぼ2場所に絞れそうだ。

 (3)…7歳馬。4歳馬=2勝もあるが、トータルすると“熟年”が強い。7歳馬=6勝、2着3は特筆に値する。昨年は8歳フジノウェーブ優勝。

 (4)…格重視。過去10年、A1馬=8勝、2着7。斤量は背負っても地力をみせる。逃げ=4、先行=5、差し=7、追込=4。意外なほど混戦が多い。

 データ推奨馬

 ◎フジノウェーブ…昨年覇者。59kgを背負いながら4馬身差の圧勝だった。今回1番人気かは微妙だが、単に格というならやはり断然。かつてハタノアドニスなど名スプリンターを育ててきた高橋三郎厩舎。混戦になって末脚全開。

       ☆       ☆

 ◎ヤサカファイン   59石崎駿
 ○ケイアイゲンブ   56戸崎
 ▲フジノウェーブ   59御神本
 △ジーエスライカー  59三浦
 △シャレーストーン  56酒井
 △ディアーウィッシュ 59内田博
 △インプレッション  58柏木
 ディアヤマト     58松岡
 クレイアートビュン  59吉原
 スーパーヴィグラス  56張田
 ケイアイジンジン   57佐藤博

 面白いメンバーになった。フルゲート16頭、その大半がスプリント戦での決定打を備え、しかもおおむね万全の態勢でここに臨む。A1=58、A3=56(重賞勝ち馬1kg増)の別定だから、ごく普通には実績馬有利。ただ“59kg”は、例え力があっても極量で、道中の行き脚、最後の詰め、微妙に響く懸念も残る。どこからでも狙える顔ぶれ――大局的にはやはりそう考えて正解か。

 少し迷ったが、結局ストレートな予想とした。◎ヤサカファインは、現南関東スプリント界、?1の切れ者と断言できる。昨夏「アフター5スター賞」で初タイトル(ナイキマドリードに21/2差)、続くG?「東京盃」はサマーウインドを最後鼻差まで追い詰めた。エンジンかかってどこまでも伸びる末脚。馬群にひるまない精神面の逞しさ。前走中山「カペラS」も、初コースを0・6秒差なら(結果8着は急坂の影響か)、十分合格点がつくだろう。今回引き当てた“1番枠”も、今の馬場を考えるとプラスが大きい。

 ○ケイアイゲンブは、勢いと可能性に注目した。転入後[6-3-1-2]。距離万能で底力があり、大型馬ながら道中の反応など実に素早い。古豪、実績上位馬と2〜3kg差がつき、鞍上エース・戸崎なら、いきなり大仕事があって不思議ない。古豪フジノウェーブは、昨年このレースを4馬身差で圧勝している。いうまでもなくJBCスプリント覇者だが、いい意味で少し枯れ、現在は千四が最もイメージに合っている。

 1月「船橋記念」を制した快速馬ジーエスライカーももちろん脈あり。ただ前走「ウインタースプリント」を中1週で使い、インプレッションに差された事実は動かせず、そこから1F延長となると、ムードはあまり芳しくない。穴はシャレーストーンと考えた。3歳春「京浜盃」→「羽田盃」を小差2着。絶対能力が高いことは間違いなく、千四も2戦1勝と悪くない。中間快時計の追い切り4本。今回相性がいい酒井忍Jに手が戻る。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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