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半姉はシーザリオ、豪州産馬ロットネスト

  • 2011年03月08日(火) 00時00分
●グッドシーユー(牡 美浦・宗像義忠 父フジキセキ、母エンゼルカロ)
 母エンゼルカロはホッカイドウ競馬所属ながら函館3歳S(GIII)を制し、札幌3歳S(GIII)とファンタジーS(GIII)でも3着と健闘した。母の父スターオブコジーンに含まれるPia Starはサンデーサイレンスと相性抜群。年度代表馬ゼンノロブロイも母方にこの血を持っていた。エンゼルカロの子で唯一サンデー系の父を持つコスモスペシャリーは準OPまで出世しているので、同じくサンデー系の父(フジキセキ)を持つ本馬にも期待できるだろう。芝向きのマイラー。

●スイートリベルテ(牝 美浦・後藤由之 父アフリート、母カフェショコラ)
 半姉スイートブレナム(父フレンチデピュティ)は3勝馬。母方にNijinskyを持つアフリート産駒はニックスで、この配合パターンからはプリモディーネ(99年桜花賞-GI)、プリエミネンス(ダート重賞8勝)、ビッグウルフ(03年ジャパンダートダービー-GI)をはじめ多数の活躍馬が出ている。「アフリート×Caerleon」はプリエミネンス、アポロフェニックス(10年函館スプリントS-GIII・3着)と同じ。2代母の父が一本調子のDesert Wineなので、ダート短距離で期待できそう。

●セミニョン(牝 美浦・相沢郁 父マンハッタンカフェ、母トリアノン)
 母トリアノンは新馬戦(芝1200m)を6馬身差で圧勝したスピード馬だが、地方競馬に転出するまでそれが唯一の勝ち星だった。母方にMr.ProspectorとNorthern Dancerを併せ持つマンハッタンカフェ産駒は走っており、Halo≒Drone 3×5や、母方の奥にはテスコボーイも入っているので、スピードの優った素軽いタイプではないかと思われる。芝向きのマイラー。

●デルマクリシュナ(牡 美浦・菊沢隆徳 父ハーツクライ、母ヘルスウォール)
 母ヘルスウォールはエリシオが送り出した牝馬の代表産駒で、現役時代にチューリップ賞(GIII)を勝ち、桜花賞(GI)でも5着となった。初子のアサクサダンディ(父フジキセキ)はニュージーランドT(GII)3着、スプリングS(GII)4着などの成績がある。その半弟にあたる本馬は、同じサンデーサイレンス系のハーツクライが父。2代母サラトガフラッシュはPromised Land≒Darlin Patrice 3×3というユニークな4分の3同血クロスを持つ。2代父サンデーサイレンスはPromised Landを持っているので、本馬はこの4分の3同血クロスを継続し、Promised Land≒Darlin Patrice 5×5・5。半兄アサクサダンディや、先日のヒヤシンスS(OP)を勝ったラヴィアンクレールもこのクロスを持っているので期待大。

●ロットネスト(牡 栗東・松永幹夫 父Redoute's Choice、母Kirov Premiere)
 2010年1月にオーストラリアで行われたマジックミリオンズイヤリングセールで20万豪ドルの値がついた。落札者はノーザンファーム代表の吉田勝己氏。シーザリオ(05年オークス-GI、05年アメリカンオークス-G1)の半弟で、父はスペシャルウィークからRedoute's Choiceに替わった。母Kirov Premiereはシーザリオが活躍する以前の03年に、トリッキーコード(ハットトリックの母)などと一緒にオーストラリアに渡った。Redoute's Choiceは豪リーディングサイアーでスピードが武器。父がRedoute's Choiceで母方にSadler's Wellsが入るパターンはG1を5勝した名牝Miss Finlandと同じ。南半球生まれなので生まれが半年遅い。成長が追いついてくれば楽しみ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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