道営ホッカイドウ競馬で、今年の開幕(4月29日)よりお目見えする予定のアパルーサが、現在、浦河町西幌別にある町乗馬公園で鋭意調教中である。
この馬は、2007年旭川生まれのせん馬4歳。父ハンサムジャック、母エンゼルダンサーという血統で、芦毛の馬体全体に黒い斑点のあるアパルーサ種である。道営ホッカイドウ競馬を運営する北海道軽種馬振興公社が、北海道馬主会の寄贈を受け、昨年12月に誘導馬としてデビューさせるべく、浦河町に協力を依頼し、調教が始められた。
「最初は、鞍を乗せることや腹帯を締めることなどから手探りで始めました。一応、そのあたりまでは前にいた牧場でやっていたらしくて大人しかったんですが、その後、いざ騎乗し始めてからは結構やんちゃでしたね」と苦笑いするのは、調教を担当する町乗馬公園勤務(乗馬普及係長)の上妻智さん(53歳)だ。
「聞いたところによると、母系にはサラの血が入っているらしく、それで元気が良いのかなとも思いました」(上妻さん)
牡馬のままここにやってきたので、すぐに去勢手術に踏み切った。“タマつき”では誘導馬として不適当だから、である。周知の通り、誘導馬は、レースに出走する各馬をパドックから誘導してコース入りさせるのが仕事だ。すぐ脇を出走馬が返し馬のために追い越して行くなどは毎度のこと。いかなる場合にも落ち着いていなければならないのはもちろんで、気合の入った現役のサラブレッドたちに混じっても平静を保っている必要がある。
これまでホッカイドウ競馬では16歳になる芦毛のサラブレッドが誘導馬を務めていたが、今回、このアパルーサが新たに仕事を受け継ぐことになったという。そして、開幕日には、浦河在住の片倉彩奈さん(22歳)が騎乗することが内々で決定している。
片倉さんは国体にも出場した経歴を持ち、現在、町の乗馬サークル(ペパーミントライディングクラブ)で指導者を務める女性だ。
「とにかく、開幕まで完璧に誘導馬としての仕事が出来るようにしておかなければなりません。ここでいくら大人しく乗ることが出来ても、実際には門別競馬場で支障なくパドックとコースを行ったり来たりできなければなりませんから」(上妻さん)
残された時間は約1か月半。「頭の良い馬で、しかもまだ4歳と若いので、しっかりと仕事を覚えさせなければ、と思っています」(上妻さん)。2人の調教は、これからますます熱が入って来ることだろう。
ところで、このアパルーサにはまだ名前がついておらず、そのために上妻さんたちはそれぞれ「勝手に思いついた名前をつけて呼んでいる」のだが、北海道軽種馬振興公社では、広くこのアパルーサにふさわしい名前を公募している。
応募方法は郵送もしくはホッカイドウ競馬HP上からでもOKで、締め切りは3月11日(当日消印有効)。
一応、以下に応募先を明記しておくのでご参照あれ。
〒055-0008 沙流郡日高町富川駒丘76-1 HRA社団法人北海道軽種馬振興公社 新誘導馬の愛称募集係まで。
氏名、郵便番号、住所、電話番号(自宅/携帯)、Eメールアドレス、職業を明記のこと。
発表は3月中旬ころを予定。採用された方(同一名称複数の場合は抽選で1名)には、クリスタル製命名証その他の賞品が進呈されることになっている。
末永くファンに愛される名前を考え、ぜひご応募いただきたいと思う。