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NZで生まれたロジユニヴァースの半妹ゼマティス

  • 2011年03月22日(火) 00時00分
●コスモインパクター(牡 美浦・奥平雅士 父ディープインパクト、母スターマレイン)
 半姉ダンスオブサロメ(父ビワタケヒデ)は準OPまで出世したスプリンター。それ以外の兄姉もコンスタントに1、2勝ずつ挙げている。母の父Woodmanは、Mr.ProspectorとLa Troiennne血脈を併せ持っており、父ディープインパクトに素軽さを与えるだろう。また、3代母Oh So Sharpは英1000ギニー(G1)、英オークス(G1)、英セントレジャー(G1)などを制した女傑で、その配合構成のエッセンス(HyperionとSon-in-Lawの組み合わせ)を代々継続してきた母の配合も評価でき、底力の面でも期待できそうだ。芝向きの中距離タイプ。

●ゼマティス(牝 栗東・吉田直弘 父Zenno Rob Roy、母Acoustics)
 母Acousticsというのは「アコースティクス」のこと。つまりダービー馬ロジユニヴァースの母にあたる。ロジユニの全妹ペンテシレイアを産んだあとニュージーランドへ渡り、シャトル種牡馬として供用されていたゼンノロブロイと交配され、本馬が誕生した。南半球生まれなので生まれが半年遅い。ちなみにアコースティクスはその後日本に戻り、ネオユニヴァースの全弟を産んでいる。ゼンノロブロイ産駒のHaloクロスは成功パターンで、母はSir Ivor≒Halo 4×4なので条件に合致している。ヨーロッパ血脈を豊富に抱えているのも好印象。成長が追いついてくれば楽しみ。

●ラヴリーポイント(牝 美浦・小野次郎 父マンハッタンカフェ、母ビッグラブリー)
 3代母シンティレートは英オークス馬だが、それほど繁栄しているファミリーではなく、本馬の従兄弟にコパノフウジン(OP)、姪にコパノオーシャンズ(OP)がいる程度。兄姉にJRAで勝ち上がった馬はいない。ただ、父マンハッタンカフェはCaerleonと相性がよく、このニックスからレッドディザイア、ジョーカプチーノ、ガルボ、テイエムオーロラ、マッハヴェロシティといった活躍馬が出ている。本馬はこのパターンで、この一点だけで評価できる。芝向きの中距離タイプ。

●ルージュクール(牝 美浦・堀宣行 父Redoute's Choice、母Sunday Valentine)
 全姉El DaanaはオーストラリアでVRCエドワードマニフォールドS(G2・芝1620m)を勝った。本馬はその全妹なので期待できるだろう。。南半球生まれなので生まれが半年遅く、成長が追いついてくれば楽しめそう。Redoute's Choiceとサンデーサイレンスは意外に好相性を示しており、日本におけるRedoute's Choice産駒の出世頭ランリョウオー(準OP)、Redoute's Choice系種牡馬スニッツェルの代表産駒ミッキーマスカット(黄菊賞)は、いずれも母方にサンデーサイレンスを持っている。HaloとSir Ivorのニックスの効果かもしれない。

●ロックフェアレディ(牝 栗東・鮫島一歩 父ロックオブジブラルタル、母タイムフェアレディ)
 半姉プリティカポレイ(父クロフネ)は現1000万条件。ダ1600〜1800mを得意としている。母タイムフェアレディはフラワーC(GIII)の勝ち馬。古馬になってからは苦戦続きだったが、3歳春までは世代のトップクラスの1頭として頑張った。父ロックオブジブラルタルは現役時代に「ザ・ロック」の愛称で親しまれ、ヨーロッパのマイル戦線を中心にG1を7連勝(世界新記録)するという偉業を成し遂げた名馬。デインヒル系で前向きな気性と手堅いスピードを伝える。日本における代表産駒プレイは弥生賞(GII)2着、京成杯(GIII)3着という成績を残している。芝向きの中距離タイプ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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