ディーエスサンダーを兄に持つ好配合馬、ブルーカスケード
●スズカモンスーン(牝 栗東・村山明 父More Than Ready、母ファッションアンドスタイル)
父More Than Readyは南米の大種牡馬サザンヘイローの息子で、キングズビショップS(米G1)、サンフォードS(米G2)など米17戦7勝。種牡馬としても世界各国で活躍馬を送り出している。スピードがあり芝・ダートを問わない。母ファッションアンドスタイルの半兄にはサンタアニタHなど米G1を3勝したGeneral Challenge、半姉にはオークリーフS(米G1)を勝ったNotable Careerがいる。本馬はNorthern Sea 3×3という大胆な牝馬クロスがある。仮に競走馬としてイマイチでも繁殖牝馬としては大いに期待できる。
●チネチッタ(牝 美浦・水野貴広 父シンボリクリスエス、母エイプリルバード)
エイプリルソネットを起点とする牝系は、超大物こそ出さないが良駒をコンスタントに送り出し成功している。父がシンボリクリスエス、2代母がエイプリルソネットという配合は、きさらぎ賞(GIII)2着など重賞戦線で活躍したリクエストソングと同じ。2頭の違いは、リクエストソングの母の父がトニービンで、本馬の母の父がサンデーサイレンスであること。芝向きの中距離タイプとして期待できる。
●ビッグショット(牡 栗東・矢作芳人 父ステイゴールド、母ハンナローズ)
ステイゴールドの3歳世代は当たり年で、オルフェーヴル(11年スプリングS-GII)、ナカヤマナイト(11年共同通信杯-GIII))、フェイトフルウォー(11年京成杯-GIII)と3頭の重賞勝ち馬が出ている。母ハンナローズはダート短距離で2勝。父ステイゴールドはスタミナと底力に秀でたタイプなので、「Mr.Greeley×Well Decorated」という組み合わせの母は、スピードとスタミナのバランスを考えると悪くないだろう。3代母の父Creme dela Cremeはサンデー系と相性抜群。芝・ダート兼用で1600〜2000mあたりが良さそう。
●ブルーカスケード(牡 美浦・小島太 父マーベラスサンデー、母アフターディナー)
半兄ディーエスサンダー(父タヤスツヨシ)は、盛岡に遠征してマーキュリーC(GIII)を勝ったほか、東海S(GII)では1位入線も3着降着、ブリーダーズGC(GII)2着、アンタレスS(GIII)3着など、ダート中距離戦線で活躍した。父マーベラスサンデーは基本的にNijinskyと相性がよく、この組み合わせからシルクフェイマス(04年日経新春杯-GIIなど重賞3勝)、サイレンスボーイ(04年武蔵野S-GIII・2着)、メイショウサライ(07年プロキオンS・GIII・4着)、オーゴンサンデー(04年京成杯AH-GIII・5着)などが出ている。本馬はこのパターン。ちょっとおもしろいところがありそう。
●レイテッド(牝 栗東・矢作芳人 父ジャングルポケット、母タックスシェルター)
母タックスシェルターは1勝馬だが、ヒシアトラス(ダート重賞3勝)、ルミナスハーバー(06年阪神ジュベナイルフィリーズ-GI・3着)、アクロスザヘイブン(06年フローラS-GII・3着)、グレナディーン(09年ファンタジーS-GIII・3着)などの半姉にあたる良血。繁殖牝馬としてはヘヴンリークルーズ(準OP)を出している。本馬は「ジャングルポケット×フジキセキ」で、これはルルパンブルー(07年フェアリーS-GIII)と同じ。ローカル戦で本領を発揮しそうなタイプ。