先週は3レース行われた阪神芝1800mの重賞ですが、調教傾向は明確な結果となりました。
今週も重賞の中山牝馬Sが行われることですし、それを示す3レースの着順と調教タイプをここに明記してみたいと思います。
スプリングS
1着オルフェーヴル(1)/標準多め坂路
2着ベルシャザール(4)/標準多め坂路
3着ステラロッサ(8)/標準多め坂路主体
フラワーC
1着トレンドハンター(5)/標準多めトラック
2着ハブルバブル(1)/連闘
3着マヒナ(7)/標準トラック
毎日杯
1着レッドデイヴィス(2)/標準多め坂路
2着コティリオン(4)/標準坂路
3着トーセンレーヴ(1)/標準多め坂路
※馬名後ろ()内は単勝人気
3レースすべてに共通しているのは「標準多め」ですから、阪神芝1800mで勝つためには調教本数が多くなければいけないことは確実でしょう。
また馬券になった9頭のうち、最も人気のなかった8番人気ステラロッサは標準多め坂路主体だったので、人気薄の「本数多い併用調教馬」には要注意です。
また中山牝馬Sに限っての話となると、当初予定されていた時期よりも大きくスライドしてしまったことがどのように影響するか、ヒカルアマランサスのようにここまでレースを使わずに待機していた組がどのような調整を選択してくるかということです。
フィリーズレビューのスライド時には「2週続けてしっかりやっている馬」を推奨させてもらいましたが、結果的には1週前より追い切り時計を遅くしていたフレンチカクタスが勝利。1週前と同様に速い時計を出したツルマルワンピースの橋口調教師は「最終追いを少しやりすぎたかも知れない」と10着の敗因を振り返っていました。
同じ「牝馬」ということを観点からは、中山牝馬Sでも追い切りを軽くした方がよいと考えるのが妥当かも知れません。しかし今回のスライドは1週ではなく1ヶ月近いもの。これに加えて、現在の阪神芝1800mで調教本数が重要だという「運動量必要」な状況であれば、好走時にしっかりと強い追い切りを課されているようなタイプは今週の最終追いも強い内容であることが理想です。ちなみに好走時の追い切り内容はインターネット馬三郎でも簡単に見ることができますので、それらのツールを利用して追い切り比較してみてください。
また4日目には大阪杯とダービー卿CTが行われますが、前者は速報!調教Gメンで取り上げさせていただくとして、ここでは後者が施行される阪神芝1600m外回りの先週までの傾向について軽く触れておきたいと思います。
六甲S
1着ロードバリオス(6)/標準併用
2着クレバートウショウ(1)/標準トラック主体
3着モエレビクトリー(7)/馬ナリ平均坂路主体
先週行われたオープン特別の結果ですが、上位3頭はすべて併用系統でした。
このレースで4番人気だったファイヤーフロートは標準トラックで逃げて粘れず13着という結果ですから、やはり併用調教であることが好走の条件だったと言えるでしょう。
今週末に行われる重賞では運動量が鍵を握る、そんなレースになりそうです。
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調教Gメンとは?
調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例:一杯)を確認するだけでOK。

調教コース&調教タイプの考え方
調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「
一杯平均坂路」に分類される。

調教コース一覧
【トラック】 ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】 坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】 トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】 トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】 トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。

調教タイプ一覧&イメージ図
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