●インターシティ(牝 栗東・大橋勇樹 父コマンダーインチーフ、母ノボホワイト)
ダンシングブレーヴとサンデーサイレンスの相性の良さは、前者の母の父Droneと後者の父Haloが相似な血の関係にあることが鍵。本馬は父コマンダーインチーフ(ダンシングブレーヴの息子)、母の父アドマイヤベガ(サンデーサイレンスの息子)なのでこのニックスを持っている。父コマンダーインチーフはダートも得意とするやや硬いタイプなので、しなやかな瞬発力を武器とするアドマイヤベガは合うだろう。母ノボホワイトの半弟にはディープサマー(05年クリスタルC-GIII)、半兄にはアルスブランカ(01年札幌2歳S-GIII・5着)がおり、牝系の質もなかなか。芝・ダート兼用の中距離タイプ。
●ギタートウショウ(牝 栗東・領家政蔵 父アグネスデジタル、母バージントウショウ)
母バージントウショウは不出走馬だが、その半妹に宝塚記念(GI)、エリザベス女王杯(GI)、秋華賞(GI)など6つの重賞を制した女傑スイープトウショウがいる。「アグネスデジタル×フジキセキ」の組み合わせからは、数は少ないながらもヤマノラヴ(11年フェアリーS-GIII・5着)が出ている。本馬とヤマノラヴは母方の奥にトウショウボーイが入るところまで共通している。芝向きのマイラー。
●シルクジャガー(牡 栗東・作田誠二 父マーベラスサンデー、母グラスジュリ)
母グラスジュリは1勝馬だが、ベッラレイア(07年フローラS-GII、07年オークス-GI・2着)の半姉にあたる良血。父マーベラスサンデーはNijinskyと相性がいい。この組み合わせからシルクフェイマス(04年日経新春杯-GIIなど重賞3勝)、サイレンスボーイ(04年武蔵野S-GIII・2着)、メイショウサライ(07年プロキオンS・GIII・4着)、オーゴンサンデー(04年京成杯AH-GIII・5着)などが出ている。本馬はこのパターン。芝向きの中距離タイプ。
●チヘイセン(牡 美浦・高木登 父ステイゴールド、母ブライトシーズン)
ステイゴールドはNijinskyを抱えた繁殖牝馬と相性がいい。シルクメビウス、アルコセニョーラ、マイネレーツェル、ナカヤマナイト、フェイトフルウォーなどがこれに当てはまる。本馬はこのパターン。ステイゴールド産駒は基本的にスタミナと底力に特長があり、やや鈍重なところも見られる。したがって、「タイキシャトル×サクラユタカオー」という、素軽さが感じられる母の血統は好感が持てる。自身はHalo 3×4、Princely Gift 5×5。スピード勝負にも対応できそうだ。
●マルブツリュウ(牡 栗東・大根田裕之 父ゼンノロブロイ、母シェーラザード)
半兄にマルブツリード(父アフリート/08年東海S-GII・5着)、マルブツサクラオー(父サクラバクシンオー/準OP)がいる。ゼンノロブロイはアメリカ血統過多といった感があり、基本的にヨーロッパ血脈と相性がいい。本馬は母が「Sadler's Wells×Vaguely Noble」という欧州スタミナ血脈の組み合わせなので良さそうだ。3代母サングはバブルカンパニー(バブルガムフェローやCandy Stripesの母)の全妹にあたる。ゼンノロブロイの代表産駒ペルーサは母方にバブルカンパニーを持っている。底力を感じさせる良好な配合構成。芝・ダート兼用の中距離タイプ。