暦が4月となり2歳馬の競走馬登録が始まりました。今週からは来年のクラシックを目指す2歳馬を中心にご紹介していきたいと思います。
【2歳】
●アクアライン(牝 美浦・和田正道 父スズカマンボ、母スパイレア)
半姉ヴィクトリアローズ(父グラスワンダー)は1勝。母スパイレアの半姉には京阪杯(GIII・当時は芝2000m)5着のパッサカリアがいる。父スズカマンボは現役時代に天皇賞・春(GI)を制覇したサンデーサイレンス産駒。初年度産駒は現3歳で、種牡馬としてはこれまでのところ目立った成績はあげていない。スピード不足が目につくので最近はダートに活路を見出す産駒が増えている。本馬の母の父はサンダーガルチなので、ダートのほうが良さそうなタイプ。距離は1700〜1800mあたりが合っている。
●ウミホタル(牝 美浦・和田正道 父スウェプトオーヴァーボード、母ジャジートウショウ)
母ジャジートウショウは「サクラローレル×トウショウボーイ×シルバーシャーク」なので、ダート短距離で活躍したリンガスローレル(03年クラスターC-GIII・3着)と血統構成の8分の7まで同一。これにMr.Prospector系のスウェプトオーヴァーボードを交配して誕生したのが本馬。どちらかといえばダート向きで、基本的には一気に突っ走る1000〜1300mあたりに向いている。その一方で、ダラダラとした流れで決め手を要求されない1700〜1800mあたりのレースにも向きそうなタイプ。
●グラントリノ(牝 美浦・浅野洋一郎 父グランデラ、母インフレッタ)
エンドスウィープは母の父として優秀な成績をあげている。ゲシュタルト、アルーリングボイス、ラヴィアンクレールといった活躍馬が出ており、現時点で連対率は21.5%。これは「母の父サンデーサイレンス」の連対率18.4%を上回っている。フレンチデピュティと同様、母の父としてのエンドスウィープは要チェックだ。本馬の母は浦和桜花賞4着のインフレッタ。父はDanzig系のグランデラ。配合全体を見ると、どちらかといえばダートのほうが良さそうなタイプ。1200〜1600mあたりで良さが出るだろう。
●シャーク(牡 美浦・和田正一郎 父デュランダル、母ユメノラッキー)
母ユメノラッキーは1000万クラスまで出世した芝・ダート兼用のスピードタイプ。母の父 Salt Lake は牝馬三冠馬アパパネの母の父として知られている。父デュランダルはマイルCS(GI)2回、スプリンターズS(GI)などを制した名馬で、種牡馬としては初年度にジュエルオブナイル(09年小倉2歳S-GIII)、フラガラッハ(11年阪急杯-GIII・3着)、カリバーン(11年白富士-OP)を、2年目にはエリンコート(11年忘れな草賞-OP)を出しており、ここにきて徐々に成績を上げてきた感がある。父デュランダルはGulf Stream≒Heliopolis 5×5というサンデー系の定番ニックスを持っているが、本馬はそれを継続発展させる形でOlympia 5×5(OlympiaはHeliopolisの子)というクロスを持っている。芝・ダート兼用のマイラー。
【3歳】
●クィーンズトレイル(牝 美浦・栗田徹 父ディープインパクト、母ヴェイパートレイル)
母ヴェイパートレイルの半姉にはシンコウラブリイ(93年マイルCS-GI)、ハッピーパス(03年京都牝馬S-GIII)、タイキマーシャル(93年エプソムC-GIII)がいる。近親にも活躍馬多数。母方に Sadler's Wells を持つディープインパクト産駒にはきさらぎ賞(GIII)を勝ったトーセンラーがいる。底力あふれる血で構成されており、晩成型でもあるので、うまくいけば3歳夏を越してから上級クラスへ出世していく可能性がある。芝向きの中距離タイプ。