東京スプリント(4月20日 大井 サラ4歳以上 別定 jpnIII 1200m)
「東京スプリント」は、一昨年新設された交流GIII。公式タイトル“第22回”とあるが、これは前身を「東京シティ盃」と見立てた累計で、同レースは第19回まで南関東限定SIII(平成3〜19年=1400mで施行)だったから、グレード、条件とも大きく違う。ひとまず過去2年の成績を簡単におさらいすることとした。いずれにせよこの部門は、秋の「東京盃」同様、JRA一線級が意欲的に登場し、年々レベルが上がる傾向にある。
平成21年
(1)ゼンノパルテノン 56内田博 1分11秒6 5人気 好位伸
(2)ガブリン 56藤田 4/3 3人気 中位伸
(3)フジノウェーブ 58御神本 首 1人気 好位詰
逃げた馬=ポートジェネラル…4着
22年
(1)スーニ 58川田 1分12秒2 1人気 中位伸
(2)フジノウェーブ 58戸崎 首 2人気 中位伸
(3)ミリオンディスク 56蛯名 1/2 4人気 中位詰
逃げた馬=ポートジェネラル…4着
(1)…固めが基本。斤量が開かない別定戦(基準56kg=GI勝ち2kg、GII 1kg加増)。昨年スーニ→フジノウェーブの決着からも、実績上位馬にまず注目。
(2)…JRA優勢。馬券にからんだ6頭中、5頭までがJRA馬。おおむね精鋭が出走する。さらに一昨年は“7歳牡馬”がワン・ツー・スリー。キャリア重視も鉄則。
(3)…差し馬。伝統的に“先手必勝”の大井千二だが、近年重賞(とりわけ交流)はその傾向が崩れつつある。混戦向きの瞬発力があり、なおかつ時計勝負に強いタイプ。
※データ推奨馬
◎スーニ…まだ明け5歳の同馬だが、すでに統一G・5勝、スプリンターとして“完成”“円熟”のムードがある。手堅い末脚と勝負強さが大きな売り。大井千二を2戦して2、1着、フィーリングが最も合う。58kgも背負い慣れている。
☆ ☆
◎ヤサカファイン 56石崎駿
○フジノウェーブ 58御神本
▲ジーエスライカー 56三浦
△ミリオンディスク 56蛯名
△ナイキマドリード 56川島
△トーホウドルチェ 54四位
△ティアップワイルド 56石橋脩
スーニ 58川田
セレスハント 56福永
ポートジェネラル 56的場文
インプレッション 56柏木
クレイアートビュン 56吉田晃
地方馬(南関東)びいきの予想になった。登録のあった快速王サマーウインドが直前回避。ただ、それがなくても今回はヤサカファイン◎、ひとまずそう決めていた。大井千二をすでに7勝、一戦ごとに磨かれていく切れとガッツ。現実に昨秋「東京盃」は、直線楽勝態勢にみえたサマーウインドを最後鼻差まで追い詰めた。千では少し短く(ゆえに船橋JBCスプリント回避)、千四では少し長い(前走スプリング盃3着)、という文字通りのスペシャリスト。鞍上・石崎駿Jと呼吸のよさも特筆できる(5勝)。
逆にフジノウェーブはこのレース、前2年3、2着。5歳時JBCスプリント制覇はともかく、年齢を重ね千二が忙しくなってきたうらみがある。瞬発力、勝負根性など翳りはないが、純粋なスピード勝負、追走に脚を使うと楽観できない。ジーエスライカーもほぼ互角の評価とした。明け4歳、まだ一本調子は確かだが、3走前船橋記念(千m)など大楽勝。今回ポートジェネラルより内枠を引き、おそらく自分のフォームで競馬ができる。
以下有力はもちろんJRA勢。実績、大井適性はスーニだが、近況から正直フレッシュな魅力を感じない。昨暮れ「カペラS」でセイクリムズンと接戦したティアップワイルド、船橋「マリーンC」でラヴェリータに競り勝っているトーホウドルチェ、さらに末脚手堅いミリオンディスク、順調の強みでセレスハント。このあたりはオッズとも相談しての狙いとしたい。昨秋JBC・2着ナイキマドリード(NAR最優秀短距離馬)は、久々の大井コース、そしてスタートが鍵だろう。意外な低人気も考えられ、そうなると馬券的妙味が出る。