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秋華賞

  • 2002年10月11日(金) 12時21分
 ファインモーションのスケールはすごい。このままうまく育てば、近年を代表する超Aランクの牝馬となるだろう。まだ完成されているわけではなく、立ち姿など奥手の女子中学生というムードで、まだキリッと締まっているわけではない。それでいて、馬なりでローズSを独走するのだから驚く。

 競馬だから結果はわからない。が、前後してパドックに出てきたり、あるいは追い切りのストライドが放映されると、たとえば春の実績上位のオースミコスモ、シャイニンルビー、チャペルコンサートなど、みすぼらしくさえ見えてしまうから怖い。

 ファインモーションが秘めるスケールをフルに爆発。抜け出して強い勝ち方をすると考えると、相手は難しい。なまじ勝ちに出たり、同じ位置からスパートしたりする馬は、かなり危険。失速する公算大になる。

 G1だからチャンスのある限り、みんな勝つために乗り、勝つようにスパートするのは当然。みんなそういう姿勢だが、しかし中には、さすがにファインモーションを負かしに出ては、自分が危ないと考える騎手もいるかもしれない。言葉は悪いが、ファインモーション=武豊をマークするのではなく、2〜3着取りに出る馬がいると怖い。だから、断然の中心馬が強いレースをしたりすると、相手に伏兵が台頭することが多くなる。

 急上昇、動きに切れが出てきたのは安藤勝騎手にチェンジしたシアリアスバイオ。当然、早めにも行ける馬だから勝ちに出るが、紫苑S組ではこの馬にもっとも魅力が大きい。成長力にあふれたタイプだろう。

 まったく見放された中では、春より20キロ以上も馬体が成長し、追い切りの動きも文句なし。15番人気で小倉2歳Sを勝ち、7番人気でG1阪神ジュベナイルFを勝っている穴馬タムロチェリーが怖い。きわめて気楽に乗れる。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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