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キンカメの真価も問われる天皇賞

  • 2011年04月29日(金) 12時00分
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 ステイゴールドの産駒は、芝の中距離で、馬場が重くなり、差しが決まる馬場になるほどパフォーマンスを上げる傾向にあります。

 単純に、良馬場以外の馬場(やや重~不良)の芝1800m以上でステイゴールド産駒の単勝を勝っても単勝回収率は155%です(集計期間は2009/01/04~2011/04/24)

 と先週のコラムで書けば、素晴らしいと思うのですが(フローラSと皐月賞はステイゴールド産駒が優勝)今さら書いても後の祭りです。

 そもそも、先週は良馬場のつもりでコラムを書いてしまったように、先週の芝は馬場の予想自体も難しい週でした。

 したがって、先週末のような天候の時は、ダートの方が馬場も読みやすいケースは多いです。ちなみに、先週ホームページで公開した勝負レースはすべてダートでした。それでも、4レース中1レースしか当たりませんでしたけれども。

 先週ダートは、軽い馬場でスピード優先の馬場、芝寄りの馬場になるのは、容易に想定できます。

 特に東京のダート1600mや京都のダート1800mは、年間トータルでも近2走以内に芝を使っている馬や、芝中長距離でもリーディング上位の芝血統馬の期待値が高いコースですから、先週のような馬場では尚のこと芝指向の強いタイプや血統の期待値が上がります。(年に数回先週のような馬場になることで、芝指向の強いタイプの期待値が上がるともいえますが)

 4月23日の京都1レース(京都ダート1800m)も前2走は芝を使っていたマーベラスバロンが4人気で圧勝。東京2レース(東京ダート1600m)も前2走は芝を使っていたカフェキングアイが5人気で勝利しました。

 結局、先週は午前中で勝負を決めて、午後のレースは観戦。という形になってしまいましたが、今週こそはメインレースも良い結果が出て欲しいものです。

 今週末は天皇賞(春)が行われます。このレースは「4コーナー5番手以内につけた馬が圧倒的に有利」という特徴があります。過去4年の当レースの連対馬はすべて4コーナー5番手以内の馬でした。(もっとも、昨年は3コーナーで中段より後ろにいた馬は軒並不利を受けてしまいましたが)

 天皇賞春では、直線入り口では先頭に並びかけて、そのままスピードを持続し続ける競馬ができる馬が走りやすいレースであり、対照的に直線まで余力十分で直線のスピードだけで後方から差しきってしまうようなタイプには不利なレースなのです。

 つまり、4コーナーで中段から後ろの競馬での実績は、まったく信用ができないレースでもあります。

 このポイントで、今年人気が予想される馬の戦歴を振り返ると、次々に?マークが並んでしまいます。

 まずはエイシンフラッシュですが、前走は4コーナーで9番手。ダービーで見せた4コーナー11番手から、上がり32.7秒の末脚は、今回のレースで要求されるであろう末脚の質とはまったく異質のものです。

 ヒルノダムールは前走は4コーナー6番手。皐月賞、ダービー、菊花賞はすべて4コーナーでの位置取りが10番手以下でした。

 ペルーサも天皇賞秋は17番手からもの凄い末脚を使ったものの、逆に先行できた有馬記念は4着。後方から余力十分で末脚を使う方が優れたパフォーマンスを発揮できるタイプなのかもしれません。

 ローズキングダムは菊花賞は4コーナー10番手から2着。ただ、この馬はJCは3コーナー5番手から優勝(2位入線)したように、インのポケットに入れば、直線入り口では自然と先頭に並べることもできるタイプではあります。

 結局、実績馬では、1人気が予想されるトゥザグローリーと、すでに当レースで十分な実績を残しているマイネルキッツが減点ポイントのない馬となってしまいました。

 ところで、ローズキングダムの母ローズバドは古馬になっても430キロ台の小柄な馬でした。この一族全体も、古馬になってから馬体重が増えづらく、もうひとつパンチが足りない産駒も多いのですが、ローズキングダムはダービーの頃と比べると30キロも馬体重が増えています。

 キングカメハメハ産駒がこのレースを勝利すると、距離適性の幅広さに加え、古馬になっての重厚さも強化する特性も持っていることを大きくアピールできることになりそうです。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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