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東京湾カップ

  • 2011年05月03日(火) 12時00分
 東京湾カップ(5月3日 船橋 サラ3歳 別定 SIII 1700m)

 「東京湾カップ」は、03年から施行時季12〜5月へ移行。南関東クラシック直前TRとして、新たな歴史を刻んできた。過去イナリワン、エスプリシーズなど“遅れてきた大物”を育ててきたが、反面、アジュディミツオー、ブルーラッド、さらにマグニフィカ…素質馬に、きっかけ、突破口を与えるレースとしても機能している。ただ平成15〜18年は1600m、19〜22年は1700mと条件が微妙に違う。傾向、データとして信頼できるのは、やはり1700mの最近4年間になるだろう。

 (1)…中波乱。1番人気[1-2-2-3]、2番人気[2-1-4-1]、3番人気[1-1-1-5]。上位拮抗、中波乱の傾向で、ここ3年間は1番人気=3、3、2着と惜敗している。昨年優勝マグニフィカは5番人気。

 (2)…船橋VS川崎。船橋=6勝、2着5、川崎=2勝、2着3と、2場所の独占状態になっている。大井、浦和はおおむね苦戦。船橋、川崎、交互に優勝馬が出る傾向で、今年は川崎?(一昨年ブルーラッド)。

 (3)…上昇馬。優勝馬の前走=3、1、1、1、2、4、1、11着、同2着馬=3、1、1、2、5、1、3、3着。上昇馬、好調馬が主役となり、直前着外からの巻き返しは、昨年マグニフィカ(全日本2歳優駿11着)、ただ1例しかない。

 (4)…先行型。逃げ=4、先行4、差し=7、追込み=1。極端な傾向ではないものの、前々を進めるタイプがやはり有利。4コーナー中団以降からの追い込みは2、着止まりが多い(昨年ブンブイチドウ)。

 ※データ推奨馬

 ◎ジャクソンライヒ…川崎所属。天才肌のスピード馬で、昨夏デビュー時、九百→千五、見事な2連勝を飾っている。前走叩き3戦目をワンサイドで逃げ切り、いよいよ完調。今年の顔ぶれならすんなり先行できるだろう。近年、飛躍的に腕を上げた本橋騎手。

◎ファジュル55戸崎
○ゴールドスガ55町田
▲ハートゴールド54御神本
△リバーキンタロー55脇田
△エスケイドリーム55山田信
△リアライズペガサス  55張田
△ジャクソンライヒ55本橋
 エースフォンテン55坂井
 シービスティー56左海
 ホクト55繁田

 ファジュルの巻き返しに期待した。昨暮れ道営(1勝)から転入後、大井準重賞「雲取賞」勝ちを含む[3-1-0-1]。当時2番手から文字通りの横綱相撲で、千六1分40秒3の時計も、例年牡馬クラシックレベルに十分届く。半兄ディラクエ(20年・京浜盃優勝)同様、エンジンかかって息の長い末脚がセールスポイント。490kg台、ガッシリ骨太の馬体にもスケールの大きさが感じとれる。前走「京浜盃」、確かによもやの大敗(7着)だったが、レース間隔があいてやや太め、鞍上テン乗り、スタート出負け、さまざま不利が重なった結果だろう。今回船橋1700m、頭数も落ち着いて(12頭立て)、早めの競馬ができるはず。ここをすっきり勝てれば次走は「東京ダービー」。同厩(川島正行厩舎)の先輩、アジュディミツオー、マグニフィカと同じ進路が開けてくる。

 相手探し。末脚強靭、本格派という意味でゴールドスガを抜擢した。ゲート難、ひ弱な体質、いくつか課題を抱えるが、1月「ニューイヤーカップ」3着、上がり38秒9など、現実にドラゴンウィスカー、キスミープリンスを大きく凌ぐ。父ゴールドアリュール、むろん今後が成長期で、じっくり乗れる船橋千七は最もイメージに合っている。穴は牝馬ハートゴールド。現時点の実績(新馬含め2勝)、持ちタイムこそ見劣るが、超スローを大外一気の前々走など、好走時のインパクトはかなり強い。今年は牝馬全体がハイレベル。恵量53kgを味方に大駆け可能と考えた。

 以下、前走「クラウンカップ」5着で、充実と距離対応力を同時に示したリバーキンタロー、デビューから一貫しぶとい末脚で大崩れしないエスケイドリーム、さらにデータ推奨、単騎逃げが想定されるジャクソンライヒ。ファジュル(単勝2倍を少し切るか?)を除き、差がないといえばまったく差がないメンバーで、リアライズペガサス(JRA交流1勝)、シービスティー(鎌倉記念2着)、ホクト(ラブミーチャンの半弟)あたりにも、流れひとつで可能性が出る。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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