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いずれはG1へ、ディープ×ビワハイジのジョワドヴィーヴル

  • 2011年05月11日(水) 12時00分
●アドマイヤキュート(牝 栗東・友道康夫 父キングカメハメハ、母ロージーミスト)
 NHKマイルC(GI)、朝日杯FS(GI)を制したグランプリボス(父サクラバクシンオー)の半妹。「キングカメハメハ×サンデーサイレンス+Secretariat」という構成はローズキングダム、ベルシャザール、エオリアンハープと同じ。芝向きの中距離タイプ。

●インステイト(牡 栗東・友道康夫 父ダイワメジャー、母バレークイーン)
 母バレークイーンは言わずと知れた名牝で、本馬の上にはフサイチコンコルド(父Caerleon/96年日本ダービー-GI)、アンライバルド(父ネオユニヴァース/09年皐月賞-GI)、ボーンキング(父サンデーサイレンス/01年京成杯-GIII)がいるほか、ヴィクトリー(07年皐月賞-GI)、リンカーン(04年阪神大賞典-GII)、アンブロワーズ(04年函館2歳S-GIII)が近親にいる超良血。母が高齢(本馬を出産したのは21歳時)という点だけが懸念材料。

●ヴェルメリオ(牡 栗東・石坂正 父シンボリクリスエス、母スカーレットレディ)
 半兄ヴァーミリアン(父エルコンドルパサー)はダートGIを9勝した希代の名馬。このほかサカラート(父アフリート/ダート重賞4勝)、キングスエンブレム(父ウォーエンブレム/すみれS-OP)、スカーレットベル(父エリシオ/5勝)、ソリタリーキング(父キングカメハメハ/準OP)など、兄姉は父を問わず走りまくっている。父シンボリクリスエスはダートに強く、Crimson Satan 5×4などもあるのでダートでは相当やれそう。

●エネアド(牡 美浦・戸田博文 父ディープインパクト、母キュー)
 ブレイクランアウト(父Smart Strike/09年共同通信杯-GIII)の半弟。母方にフレンチデピュティを持つディープインパクト産駒にはメデタシ(11年桜花賞ーGI・4着)、ボレアス(樅の木賞-500万下)などがおり成功している。母は興味深い配合構成で繁殖牝馬として注目したい存在。高いポテンシャルを感じさせる中距離馬。

●クランモンタナ(牡 栗東・音無秀孝 父ディープインパクト、母エアトゥーレ)
 半兄にキャプテントゥーレ(父アグネスタキオン/08年皐月賞-GI、07年デイリー杯2歳S-GII、09年朝日チャレンジC-GIII)、半姉にアルティマトゥーレ(父フジキセキ/09年セントウルS-GII、10年シルクロードS-GIII)がいる良血。全兄サトノオーは新馬−500万下を連勝したあと3連敗だが、今後の活躍が期待されている。母エアトゥーレは阪神牝馬S(GII)を勝ち、フランス遠征ではモーリスドギース賞(仏G1)で2着と健闘した活躍馬。2代母スキーパラダイスはムーランドロンシャン賞(仏G1)、京王杯SC(GII)の勝ち馬。日本を代表する名牝系のひとつといっていいだろう。順調なら重賞レベルには出世しそう。

●ジョワドヴィーヴル(牝 栗東・松田博資 父ディープインパクト、母ビワハイジ)
 ブエナビスタ(父スペシャルウィーク/10年天皇賞・秋-GIなどGIを5勝)、アドマイヤオーラ(父アグネスタキオン/07年弥生賞-GIIなど重賞3勝)、アドマイヤジャパン(父サンデーサイレンス/05年京成杯-GIII)の半妹、トーセンレーヴ(11年青葉賞-GII・3着)の全妹にあたる良血。配合構成も申し分なく、兄姉の水準から照らして本馬もかなりの器だろう。いずれGIを賑わすことになるかもしれない。

●スピルバーグ(牡 美浦・藤沢和雄 父ディープインパクト、母プリンセスオリビア)
 トーセンラー(11年きさらぎ賞-GIII)の全弟、Flower Alley(05年トラヴァーズS-米G1)の半弟にあたる良血。Sadler's WellsやVaguely Nobleといったクラシックに強い血が入る本格派。2400m向きのスタミナ、大レース向きの底力もある。

●トーセンシーザー(牡 美浦・加藤征弘 父ディープインパクト、母シェンク)
 半兄にマルカシェンク(父サンデーサイレンス/05年デイリー杯2歳S-GII、08年関屋記念-GIII)、半姉にザレマ(父ダンスインザダーク/09年京成杯オータムH-GIII)がいる良血。父がディープインパクトに替わってさらに期待できそう。母方にThe Minstrelを持つディープ産駒にはイングリッド、ムーンリットレイクがいる。ポテンシャルは相当高そう。芝向きのマイラー〜中距離タイプ。

●マスクオフ(牝 美浦・和田正道 父ディープインパクト、母ビハインドザマスク)
 母ビハインドザマスクはスワンS(GII)など重賞を3勝した名牝。こういうスピード型は父ディープインパクトに合う。Alzao≒ダンシングブレーヴ3×3は大胆。Mr.Prospectorが入もいい。芝向きのマイラー。

●ラブラドライト(牡 栗東・音無秀孝 父キングカメハメハ、母タンザナイト)
 母はアロンダイト(06年ジャパンCダート-GI)の半姉。半姉モルガナイト(父アグネスデジタル)は故障がちながら9戦4勝と能力のあるところを見せている。母方に入るRivermanは父と相性がいい。芝中距離で期待できる。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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