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大物感十分、ディープ産駒の好配合馬エックスマーク

  • 2011年05月18日(水) 12時00分
●エックスマーク(牡 栗東・角居勝彦 父ディープインパクト、母ショアー)
 母の半弟にブリーダーズCターフ、独ダービーなど4か国でG1を制覇したShiroccoがいる良血。半兄ショウナンバーズ(父Tiger Hill)は新緑賞(500万下)の勝ち馬で、欧州血統馬らしいパワーとスタミナが売りだった。本馬はディープインパクト産駒なので、軽い芝にも対応可能な中距離タイプだろう。欧州血統を豊富に含んでいるので底力も十分。母方に入るThe Minstrelは父と相性がよく、このパターンからムーンリットレイク、イングリッドなどの活躍馬が出ている。大物感を感じさせる。

●ムジャウハラート(牝 美浦・伊藤圭三 父メイショウボーラー、母ベイダー)
 2代母はブライアンズタイムと同血の関係にある良血。これにスピード豊かなGreen Desertを掛けて母ベイダーが誕生した。一本調子だが手堅いスピードを伝えることがセールスポイント。タイキシャトルとは相性がよく、これまでティファニーケイス(OP)、テイエムデウス(3勝)、スリーベイダー(3勝)が誕生している。本馬の父メイショウボーラーはタイキシャトル産駒なので、前出の3頭とは4分の3同血の関係にある。メイショウボーラーの母の父はStorm Catなので、さらに一本調子の感が強まったが、ダート短距離なら相当強いのではないかと思われる。

●シゲルガマズミ(牡 栗東・牧田和弥 父スキャン、母ラフォーレ)
 父スキャンはMr.Prospector系で、やや線が細いだけに母方に重厚なスタミナ血脈を持つものが大成する。本馬の母の父バンブーアトラスはRibot系のダービー馬なのでこの条件を満たしている。「スキャン×バンブーアトラス」の組み合わせからはナムラキントウン(98年中京記念-GIII・2着)、ナムラモンスター(02年東京スポーツ杯2歳S-GIII・5着)が出ている。ローカルのダート1700mあたりで強そう。

●スタンドバイミー(牡 栗東・中竹和也 父シンボリクリスエス、母グロリアスバラッド)
 母方に名牝Balladeを持つシンボリクリスエス産駒はコンスタントに走っている。ダンツキッスイ(08年アーリントンC-GIII)、ロードアリエス(08年京都新聞杯-GII・2着)、マイネルエルフ(09年NHKマイルC-GI・4着)、タガノクリスエス(OP)などの活躍馬が出ている。本馬はこのパターン。全体的に力強い血で構成されているので、ベストはダート1800mだろう。

●ダヴィード(牡 栗東・安田隆行 父アグネスタキオン、母クイーンリザーブ)
 母クイーンリザーブは小倉3歳S(GIII)3着馬。繁殖牝馬としては小倉2歳S(GIII)5着のストラテジー(父フレンチデピュティ)、フィリーズレビュー(GII)4着のラベ(父ダンスインザダーク)などを産んでいる。コンスタントに良駒を出しているので、父がアグネスタキオンに替わった本馬には期待できる。母方の奥はフランス系のスタミナ血脈で構成されており、こうした血は父と相性がいいだけにおもしろそう。芝向きのマイラー。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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