もちろん、アグネスタキオン産駒であろうが、マンハッタンカフェ産駒であろうが、連続で好走することは度々ある。どういう血統であろうが、そういう特異な瞬間というのは存在する。
例えばダイワスカーレットは次から次へと問題をクリアして、一度も連を外すこと無く競走生活を終えた(レース間隔を詰めなかったこと、適度な間隔で休みを入れたこと、距離をこまめに変えてリフレッシュさせたことも大きいが)。こういう特別なモードに突入した産駒から、その血統の特徴を考えるのは、あまり馬券的には意味が無い。
では、どういう産駒から特徴を見出すべきか。
血統の特徴が出やすいのはトップクラスのレースで、能力的にギリギリの相手と闘っていて、普通の状態にある産駒だ。したがって、重賞など上級クラスで、レース条件をあまり変えずに走っている、平凡な産駒から、その特徴をサンプリングすることが、日常の馬券に直結する血統の本質的リズム、特徴を理解するのには一番適している。
ところで、先程のレッドデイヴィスの3走前は1着降着。実質的には3連勝中だったのでは?と思われる読者も多いと思う。
だが、3走前は500万だ。500万と重賞では全く構造が異なる。したがって、同馬のリズムを初重賞だった2走前のシンザン記念から捉える方がこの場合はしっくりとくるのだ。
このように、馬にとって大切な「リズム」は、距離やクラスなど、そのステージごとに、様々な区切りを持つ。どのステージに馬がいるのか、どのステージのリズムに支配されているのか、そのリズムの切り取りかたが、結果に大きく影響することがある。この作業は繊細でよく間違えやすく、私もミスリードしてしまうことがある。そこで、ステージごとのリズムの切り取りかたをこの連載で皆さんと一緒に、いずれ徹底的に研究し、より体系的なものに出来たらと考えている。
今、新潟開催で直線競馬が行われている。
以前も直線競馬について書いたが、また見てみよう。というのも、直線という極めて特化された条件の中で、様々な競馬ということの意味を考えさせる、示唆に富んだ現象が繰り広げられているからだ。
今週行われた直線競馬2鞍、両方を私は予想した。
特に土曜のレースは、本命の馬を、滅多に出さない「期」というマークを付けて予想したのだった。
そこには何があったのだろうか。