大井記念(5月25日 大井 サラ4歳以上 別定 SII 2600m)
「大井記念」は、今年56回目を迎える南関東最長距離重賞。秋「東京記念=2400m」と並ぶTCKの名物レースだ。過去勝ち馬は、テツノカチドキ、チャンピオンスター、ハシルショウグン、アブクマポーロ……堂々かつ錚々とした顔ぶれで、そうふり返ると「大井記念」、そのレースタイトル自体も、十分な重みが感じとれる。ただ昨今は、幸か不幸か“棲み分け”が大きく進んだ。「かしわ記念」→「帝王賞」が一流馬の有力ローテ。だからここには“No.1.フリオーソ”が出走しない。特に新味もない提案だが、「大井記念」、そろそろ交流G移行という手はないか。“3頭枠”程度で十分と思う。例えば先週「東海ステークス=京都千九」を好走したワンダーアキュート、シルクメビウスなどという馬がいる。インバルコ、キングスエンブレム、マチカネニホンバレ級でもけっして悪くないだろう。記者志向(嗜好)と断って書けば、ダート長距離には愛着がある。その昔「東京大賞典」は三千mであったこと(勝ち馬サンオーイ、イナリワンなど)、その戦いはジョッキーの戦い(かけひき)も濃密であったこと。短〜マイル全盛は流れとして納得するが、地方競馬テリトリー、少し違う“味”を引き出そうという戦略があってもいい。
(1)…上位拮抗。1番人気[3-1-1-5]、2番人気[3-3-0-4]、3番人気[2-3-1-4]。上位拮抗、波乱含みの傾向だが、5番人気以下の優勝はない。
(2)…大井VS船橋。大井=4勝、2着6、船橋=4勝、2着4とほぼ互角。もっとも今年は出走16頭、すべてこの2場所所属ではある。近2年は船橋優勝。
(3)…5歳馬。4〜8歳まで連対があるが、5歳=6勝、2着2と優勢。リピーターが活躍(ルースリンドなど)する一方、新鋭の台頭(コウエイノホシなど)もある。
(4)…差し馬。逃げ=0、先行=2、差し=16、追込=2と偏りがある。逃げた馬[0-0-2-8]、20年トップサバトンが最高の成績。仮にスローでも危ない傾向。
※データ推奨馬
◎シーズザゴールド…イメージより活躍している(1勝、2着3)4歳馬。同馬の場合、羽田盃制覇、東京ダービー4着だから、地力、長距離適性とも文句ない。中団から息の長い脚を使うタイプ。
◎カキツバタロイヤル 56森
○スーパーパワー 57真島
▲タートルベイ 56御神本
△ツルオカオウジ 55町田
△シーズザゴールド 58今野
△ボンネビルレコード 58的場文
△イーグルショウ 56坂井
マズルブラスト 57戸崎
ドリームトレジャー 54水野
ツクシヒメ 55山田信
カキツバタロイヤルの充実を素直に買う。前走「ダイオライト記念=GII」2着。確かに勝者スマートファルコンは別次元(8馬身差)だが、カキツバタ自身、インパルコ、キングスエンブレム、JRA一線級と同時に仕掛け、結局それを直線大きく引き離した。別定56kg(牡馬同斤)、当時人気薄ながら恵まれた部分はいっさいない。転入後7勝、小柄(前走時429kg)でも芯が強いレース巧者であること、父ロイヤルタッチ(菊花賞2着)、元より中〜長距離適性が高いこと。前々走からコンビを組んだ森泰斗Jともぴたり呼吸が合っている。まだ地味なイメージが抜けきらず、馬券的にも十分妙味があるだろう。
対抗には地元スーパーパワーをとった。昨暮れ「勝島王冠」、今春「金盃」と重賞連破。前走ダイオライトは久々の左回りに手こずったが、それでも直線しぶとく伸びて4着だから地力がある。母の父アサティス、本来ステイヤーと判断したい。▲タートルベイは、JRA5勝、転じた金沢で2600m(重賞・北國王冠)レコード勝ちの記録がある。今回南関東4戦目、駆けごろ、狙いごろのイメージがわく。4歳ツルオカオウジ、シーズザゴールドは、ともに展開しだいの評価とした。前者は先行馬ペース、後者は差し較べの混戦で脈が出る。ボンネビルレコードはさすがに9歳、勝負どころで反応が鈍くなった。それならイーグルショウか。勝ち星は1800mまでだが、破壊力のある末脚、血統(父スエヒロコマンダー)など、ここで新境地を開いておかしくない。