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魅力的な配合パターンの母から誕生、メテオライト

  • 2011年05月25日(水) 12時00分
●カシマフローラル(牝 美浦・高市圭二 父トワイニング、母カシマフラワー)
 母カシマフラワーは2歳時にエーデルワイス賞(GIII・ダ1200m)を6馬身差で圧勝したほか、函館2歳S(GIII)とフェアリーS(GIII)でともに3着となった活躍馬。これにトワイニング(代表産駒はロールオブザダイス、フサイチアソート)を掛けて誕生した本馬は、Mr.Prospector 3×4、Never Bend 3×5のクロスを持ち、いかにも仕上がり早でスピードがありそうなタイプ。ローカルからガンガン走ってきそう。芝・ダートを問わず1000〜1400mあたりで持ち味を発揮する。

●グッドフォーチュン(牡 栗東・西園正都 父ディープインパクト、母カーレス)
 「ディープインパクト×Caerleon」はなかなか成績がよく、トーセンレーヴ、ダノンシャーク、ヴィクトリースターなどが活躍し、連対率は51.9%(27戦14連対)。2回に1回以上連対しているのだから大したもの。これに加えて本馬はPocahontas≒River Lady 5×4を持ち、3代母は女傑Trillionという良血。配合の質はかなり高い。母カーレスは日本における初子フサイチエナジー(父ブライアンズタイム)は中央5戦0勝、2番子ヒラボクキセキ(父フジキセキ)は中央3戦0勝と物足りない成績だが、アメリカ時代の産駒にTawqeet(06年コーフィールドC-豪GI、06年メトロポリタンH-豪GI)がいる。問題は誕生日が10月9日と遅いこと。このあたりがどう出るか。本馬は日本で誕生し、生後2か月で母とともにアメリカ経由でオーストラリアへ渡り、同地のセリで岡田繁幸氏に購買され、生まれ故郷の日本に戻ってきたという背景がある。

●スズカチャンプ(牡 栗東・橋田満 父ディープインパクト、母スプリングマンボ)
 2代母キーフライヤーは希代の名繁殖牝馬ダンシングキイ(ダンスパートナー、ダンスインザダーク、ダンスインザムードの母)の全妹にあたる。その良血の流れを汲む母スプリングマンボは繁殖成績が優秀。スズカマンボ(父サンデーサイレンス/05年天皇賞・春-GI)、スプリングサンダー(父クロフネ/11年阪神牝馬S-GII・3着馬)と2頭の活躍馬を出している。本馬の父はディープインパクト。兄姉同様完成が遅そうなタイプに見えるが、底力満点なのでハマれば大きなところを狙えるだろう。

●タイキプリマドンナ(牝 栗東・高橋義忠 父ザール、母タイキディーバ)
 父ザールは97年にサラマンドル賞(仏GI)とデューハーストS(英GI)を勝ち、カルティエ賞最優秀2歳牡馬に選出された。現2歳世代が日本における初年度産駒。海外ではXtension(11年チャンピオンズマイル-港GI、09年ヴィンテージS-英GII)、Balthazaars Gift(09年ハンガーフォードS-英GII)などを送り出したが、期待の大きさからするとやや物足りない成績といえるかもしれない。本馬はSir Ivor≒Halo 3×4、The Minstrel≒Nijinsky 4×5、The Minstrel≒ノーザンテースト4×3というクロスがある。これぐらいのアクセントをつけたほうが刺激になるかもしれない。

●メテオライト(牡 栗東・藤原英昭 父アグネスタキオン、母ガヴィオラ)
 「アグネスタキオン×Cozzene」といえばブロードストリート(09年ローズS-GII)と同じ。母ガヴィオラはガーデンシティBCH(米GI・芝9f)など5つの芝重賞を勝った名牝。Ride the Trails≒Lady Ann's Key 2×3という特殊な凝縮を持っており、繁殖牝馬としても一発大物を出しそうな雰囲気がある。本馬はNorthern Dancerを持たず、ヨーロッパ血統がやや希薄である点など、気になるところもなくはないが、それでも推奨したい魅力に満ちている。芝向きの中距離タイプ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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