さきたま杯(6月1日 浦和 サラ4歳以上 別定 JpnII 1400m)
「さきたま杯」は平成9年創設。当初から統一GIIIの格付けで14年間の歴史を刻んできた(今年は1つ上がってGIIランク)。ただ9〜16年までは秋シーズン9月施行、17年から初夏5〜6月に時季が変わった。ともあれ、その第1回をフジノマッケンオーが優勝し、近2年はスマートファルコン連覇。JRAが例年圧倒的な強さをみせ、地方勢はどうにも意気があがらない(唯一勝ち馬・平成16年ロッキーアピール)。1つ大きな原因は、雨の多いシーズン(秋は台風、初夏は梅雨)で、高速馬場になりやすいことだろう。平成11年セタノキング=1分23秒8など、小回り浦和を思うと不滅のレコード。脚質は別にして、持ち時計のない馬は総じて苦しい。まして今年は先週末から季節外れの台風(熱帯低気圧)が関東付近を通過した。
(1)…人気サイド。1番人気[4-2-0-4]、2番人気[4-2-0-4]。結果ワンツーとなった年が4度ある。1、2番人気、どちらを軸にとるかがまずポイント。
(2)…JRA馬。前述通りJRAが断然強い。ただ特筆すべきは川崎、東海勢の健闘で、とりわけゴールドプルーフ、キングスゾーン、名古屋所属馬が何度か穴をあけている。
(3)…牝馬強し。過去10年牝馬[2-2-0-11]は、混合重賞としては注目の数字といえる。年齢別では、7歳=3勝、2着1がわずかにリード。強いていえば熟年組か。
(4)…自在型。逃げ=1、先行=9、差し=9、追込=1。好位差し、あるいは捲りが主流になる。直前名古屋「かきつばた記念」好走組は条件が酷似し、信頼度がやはり高い。
※データ推奨馬
▲キングスゾーン…すべてにぴたりとくる馬は見当たらないが、名古屋所属、このレース2、3着の適性で同馬をあげた。年齢(9歳)はさておき、今年地元一連の内容(5戦4勝)からはしぶとさ健在。過去浦和記念2着もあり、馬自身にフィーリングが合っている。
◎ラヴェリータ 55武豊
○ナイキマドリード 56戸崎
▲ジーエスライカー 56坂井
△スーニ 58川田
△ダイショウジェット 56柴山
△セレスハント 56福永
△ラブミーチャン 54濱口
キングスゾーン 56安部
フジノウェーブ 58御神本
イブロン 56森
ラヴェリータを推す。統一Gすでに7勝、内1つが牡馬混合。さらに前走「かしわ記念=GI」2着、急追エスポワールシチーを二の脚で振り切り、その強さをダメ押しした。たとえ出遅れがあったにせよ、相手はGI5勝、日本ダート界頂点ともされる馬。ラヴェリータ自身、スピード、パワー、勝負根性、すべての面で牝馬レベルを大きく超えたと断言できる。今回久々の千四だが、現実にデビュー時2勝、1勝は阪神レコード(2着に3馬身差)。多分に行きたがる気性、いわゆるワンペース型だけに、むしろプラスのイメージも浮かんでくる。他馬との比較で別定55kg有利。鞍上は今季も地方Gにきわめて強い。
相手本線は地方勢をとった。昨秋船橋「JBCスプリント」2着、続く浦和千四「オーバルスプリント」を楽勝したナイキマドリード、年頭「船橋記念」を勝ち、前走「東京スプリント」4着で統一Gにメドをつけたジーエスライカー。前者は戸崎Jと初コンビ、後者は負傷癒えた坂井Jに手が戻り、それぞれのレース運び、騎乗ぶりにも興味がわく。ラヴェリータを除くJRA馬の評価は、格とキャリア(昨年2着)で、スーニをわずかに上位としたが、ダイショウジェット、セレスハントも、小回りをこなせば脈が出る。天才牝馬ラブミーチャンは試金石。前走名古屋「かきつばた記念」3着、確かにさすがの快速だが、ここはもう一段ハードルが上がった。データ推奨キングスゾーンにも相手がやや骨っぽい。フジノウェーブは本質的に左回り不得手と判断した。