●クラレント(牡 栗東・橋口弘次郎 父ダンスインザダーク、母エリモピクシー)
母エリモピクシーはエリモシック(97年エリザベス女王杯-GI)の全妹で、重賞で上位入線を繰り返した活躍馬だった。繁殖牝馬としては姉よりも優秀で、初年度産駒からデイリー杯2歳S(GII)を勝ったリディル(父アグネスタキオン)を送り出した。本馬は2番子。父がダンスインザダークに替わったので、兄リディルのようなマイラータイプではなく、おそらく中距離タイプだろう。Halo≒Drone 3×4に加えてテスコボーイのスピードが入るのは好感が持てる。Dinner Partner≒Buckpasser 5×5もいい。兄同様のピリッとした瞬発力があれば楽しみ。
●コーダリー(牡 栗東・橋口弘次郎 父アグネスタキオン、母キュンティア)
半姉オディール(父クロフネ)はファンタジーS(GIII)の勝ち馬で、母キュンティアは阪神3歳牝馬S(GI)2着。2代母は女傑Miesque(Kingmamboの母)の半妹にあたる良血。フランス系のスタミナ血脈が豊富で、Ribot系のGraustarkも入る。父アグネスタキオンはアメリカ血統で固めたスピードタイプの繁殖牝馬よりも、こうしたタイプのほうが走る産駒を出す傾向が見られる。豊かな可能性を感じるので期待十分。芝向きの中距離タイプだろう。
●サクラスプレンダー(牡 美浦・田島俊明 父サクラプレジデント、母サクラヴァニータ)
1970年に谷岡牧場が輸入したスワンズウッドグローヴは、日本を代表する名牝系のひとつに成長し、子孫からサクラチヨノオー(日本ダービー、朝日杯3歳S)、サクラホクトオー(朝日杯3歳S)、ナムラクレセント(阪神大賞典)など多くの活躍馬を送り出した。本馬の父サクラプレジデントもその1頭。そして、本馬は5代母がスワンズウッドグローヴなので、スワンズウッドグローヴ4×5というクロスを持っている。母の父がサクラローレルで若干スピード感に欠ける配合だが、スピードの塊であるスワンズウッドグローヴのクロスで帳尻が合えばおもしろい。芝向きの中距離タイプ。
●スマイルゲート(牝 美浦・国枝栄 父タニノギムレット、母シーセモア)
全兄スマイルジャックは、スプリングS(GII)、関屋記念(GIII)、東京新聞杯(GIII)を制し、日本ダービー(GI)でも2着と健闘した。母シーセモアは「サンデーサイレンス×マルゼンスキー×セントクレスピン」という組み合わせで、これはブエナビスタの父スペシャルウィークとまったく同じ組み合わせ。潜在能力の高さを感じさせる配合だ。兄同様の活躍を期待したい。
●パトロネージュ(牡 栗東・角田晃一 父Mr.Greeley、母Prospective Saint)
母Prospective SaintはガーデニアH(米G3・ダ8f)を勝ち、プリンセスルーニーH(米G1・ダ6f)でも2着となった活躍馬。父Mr.GreeleyはMr.Prospector系で、現役時代はアメリカでG3を3勝。BCスプリント(米G1)では2着と健闘している。仕上がりの早いマイラー型の種牡馬として成功しており、日本では新馬初戦で連対率35.7%という好成績。本馬はいかにも2歳戦に強そうな配合で、とくにローカルで持ち味を発揮しそう。ダートならさらにいい。