この1年ばかり、オーバーシーディングの方法をかなり変更した中山の芝は、異常なほど時計が速い。春の3歳馬の皐月賞では、前後半59.9-59.3秒の流れ。決してHペースでもないのに、なんと1分58秒5のコースレコード・タイだった。
2月には1800mに1分45秒4のレコードも生まれている。マイルでは3歳馬が1分32秒1で乗り切ってみせた。秋になっても、もちろん時計勝負は変わらない。毎日王冠のマグナーテン(今回の有力馬を完封)は1分46秒1(上がり34秒7)で楽々と逃げ切り、先週のマイルでは、前半46.6-58.0秒のスローに近い流れなのに、1分32秒3の好時計が生まれている。
まともなペースなら、今回は1分57秒台のレコードも可能だろう。テイエムオーシャン、ブレイクタイムなど、行けば楽に先行できるスピード型はいるが、意外と大事に好位で流れに乗りたいと考える公算大。
前走のオールカマーを前半59秒3のスローで逃げて大失敗のゴーステディは、今度はグングン飛ばして行くこと必至。前々走のように、前半1000mを58秒そこそこで行ける。そうなると、おそらく10馬身以上離してのマイペースだろう。明らかに力は下だが、いまの中山で強気に行く馬は怖い。いかに新潟とはいえ、ゴーステディは1分57秒3の強力な持ち時計がある。力は下だからこそ、見逃してもらえる。要注意だ。
切れ味で一枚上回るのは、デキ一歩の毎日王冠でコースを経験したサンライズペガサスだろう。春の大阪杯、エアシャカール、ツルマルボーイなどを直線の最後の1ハロンだけで楽々と差し切っている。上がりは33秒8だが、追ったのは最後の1ハロン(推定11秒前後)だけ。差し馬の中では、坂上から猛然と伸びるはずのこの馬が文句なしにNo.1とみる。