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関東オークス

  • 2011年06月14日(火) 12時00分
 関東オークス(6月15日 川崎 サラ3歳牝馬 定量54kg JpnII 2100m)

「関東オークス」は、平成12年から交流G移行。その第1回をプリエミネンスが勝ち、以後、レマーズガール、トーセンジョウオー、ホワイトメロディー、ユキチャン…など、JRA勢(当時の所属)がおおむね主役を務めてきた。ただ地方勢の勝ち馬2頭は、今思っても優秀で、桜花賞→東京プリンセス賞→関東オークス、堂々3冠に輝いたチャームアスリープ、桜花賞だけを落とした(3着)テンセイフジ。いずれも本格派の追い込み馬だっただけに、なおさら記憶、インパクトが強く残る。ともあれ、今年は3歳牝馬当たり年。JRAアイアムアクトレス(ユニコーンS制覇)こそ短〜マイル路線をめざし不在だが、それでもメンバーレベルは例年と較べかなり高い。

 (1)…近年順当。1番人気[5-3-0-2]。それもここ5年はすべて連対(2着以内)を果たしている。2番人気[1-1-0-8]はやや低調で、しかし3番人気[2-2-2-4]が補完する。

 (2)…JRA優勢。前述通りJRA=8勝、2着6と断然強い。川崎=1勝、2着2、船橋=1勝、2着1。大井は昨年ハーミア(小林)が2着したが、全体的にはふるわない。

 (3)…実績馬微妙。今年は桜花賞中止でデータ不足だが、三冠が定着した15年から、プリンセス賞優勝馬=2、8、1,1、不、3、不、9着、同2着馬=3、4、12、不、6、11、6、5着。信頼度はひと息か。

 (4)…直線勝負。逃げ=1、先行=5、差し=11、追込=3。逃げ切りは20年ユキチャンだけで、道中スローでも最後逆転のケースが目立つ。捲りが打てるパワー型に信頼度が高い。

 ※データ推奨馬
 ◎マルモセーラ…前走「兵庫CS=GII」4着。初ダート、牡馬相手を思えば強調でき、元より「ファンタジーS=GIII」勝ちなど、絶対能力が相当高い。武豊Jはこのレース2勝、クロフネ産駒もやはり2勝の実績がある。

 ◎ヴァレイオブローズ  坂井
 ○マニエリスム     戸崎
 ▲カラフルデイズ    岩田
 △マルモセーラ     武豊
 △リアライズノユメ   福永
 △ハルサンサン     御神本
 △ハートゴールド    本橋
  ピュアオパール    吉田豊
  マンボビーン     松浦政
  マルヒロブライティ  森

 ごく普通には、プリンセス賞→関東オークスと二冠をめざすマニエリスム、それにJRA勢がどう挑むかという見方だろう。ただしかし、マニエリスムは同厩舎(川島正行厩舎)クラーベセクレタと比較して、現時点いかにも線が細く、実際4月の「クラウンC」では、1番人気=6着と敗れている。そしてJRA勢。ダート実績No.1はリアライズノユメ(3勝、全日本2歳優駿2着)だが、同馬は前走「兵庫チャンピオンシップ=園田1870m」で3秒以上の大敗を喫し、その敗因自体はっきりしない。2勝馬カラフルデイズは、1400mまでのキャリアしかなく、マルモセーラもダート1戦だけではまだ未知数。ピュアオパールに至ってはダートそのものが初体験だ。

 ヴァレイオブローズから穴を狙った。収得賞金500万円ちょっとの1勝馬。それでも前走「プリンセス賞」の内容からは、素質と長距離適性を強く感じる。大跳びで不器用、当時道悪もあって置かれたが、直線大外に持ち出し上がり39秒3、結果5着ながらメンバー中最速の脚を使った(マニエリスム=39秒9)。社台F生産、ローズジズインメイ×ディンヒル、いかにも本格派という血統背景。今回楽に追走できる2100mなら大駆けがあって不思議ない。鞍上は落馬負傷からカムバック、存在感を取り戻してきた坂井英光J。このあたりでいい仕事をしてくれそうな予感もある。

 マニエリスムは2度目の川崎コースをどう乗るか。前述クラウンカップからはゲート、折り合い(左回り)がやや不安で、当日の気配も加味して判断したい。JRA馬の序列は、今季の勢いでカラフルデイズ、血統、鞍上の後押しでマルモセーラを上位にとった。叩き3戦目ハルサンサンの切れ味も魅力だが、同馬は父サウスヴィグラス、本質的に二千百向きではないだろう。印が回らなかった大穴は、兵庫から遠征するマンボビーンか。前走重賞「のじぎく賞=園田千七」をひとまくり。父スズカマンボなら長距離向きは間違いない。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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