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4分の3同血に2頭の重賞勝ち馬、アイアムネフライト

  • 2011年06月15日(水) 12時00分
●アイアムネフライト(牝 美浦・奥平雅士 父アグネスタキオン、母アイアムアドーター)
 母アイアムアドーターは準OPまで出世したパワー型のスピード馬で、その兄弟にアイアムカミノマゴ(10年阪神牝馬S-GII)、アイアムアクトレス(11年ユニコーンS-GIII)、アイアムツヨシ(01年京王杯2歳S-GII・3着)、アイアムエンジェル(06年ファルコンS-GIII・2着)がいる良血。2代母アイアムザウィナーが「Danzig系×Mr.Prospector系」という組み合わせなので、子や孫に豊かなスピードが受け継がれている。本馬はアグネスタキオンが父。アイアムカミノマゴ、アイアムアクトレスの4分の3同血にあたる。デヒアを挟んでいる分、この2頭よりはダート適性が高いと思われる。ダート向きのマイラー。

●ウイニングサルート(牡 栗東・松永幹夫 父フレンチデピュティ、母ヘヴンリーロマンス)
 母ヘヴンリーロマンスは牝馬ながら天皇賞・秋(GI)を制したほか、札幌記念(GII)、阪神牝馬S(GII)を勝った名牝。キングカメハメハを父に持つ初子のコードゼット(未勝利)、2番子ヴェイロン(1勝)が期待ほどの成績を挙げていないのは、Nureyev≒Sadler's Wellsの4分の3同血クロスが少々重いのかもしれない。本馬は父がフレンチデピュティに替わった。「フレンチデピュティ×サンデーサイレンス×Sadler's Wells」といえばアンブロワーズ(04年函館2歳S-GIII)と同じ。上2頭よりも素軽さが期待できるので楽しめそう。

●ジャスタウェイ(牡 栗東・須貝尚介 父ハーツクライ、母シビル)
 半姉スカイノダン(父サクラバクシンオー)は北九州記念(GIII)で2着となった。母シビルの半弟シグナリオは準OPで走っている。本馬はハーツクライの子。ハーツクライはNothirdchance≒Revoked 4×5が配合構成のひとつの核となっている。本馬の5代母はBlue Gay≒Revoked 1×2という特殊な配合で、これをハーツクライにぶつけた場合、好結果が生まれるのではないかと思われる。芝向きの中距離タイプ。

●ドラゴンアリー(牝 美浦・高柳瑞樹 父 Indian Charlie、母アリゲーターアリー)
 母アリゲーターアリーはシーキングザベスト(06年武蔵野S-GIII)の4分の3妹。父Indian CharlieはCaroを経てNasrullahにさかのぼる異色の系統で、現役時代にサンタアニタダービー(米GI)を制し、種牡馬としても成功している。最も成功率の高いパターンは母の父にMr.Prospector系を持つ牝馬。Indian Blessing、Fleet Indian、Pampered Princessの3頭がGIウィナーとなっている。本馬はまさにこのパターン。ダート向きのマイラー。

●フェアリーロンド(牝 栗東・角居勝彦 父ゴールドアリュール、母フェアリーワルツ)
 全兄オーロマイスターは昨年秋の南部杯(GI)でエスポワールシチーを破って優勝した。半兄テーオーストーム(父マンハッタンカフェ)は札幌2歳S(GIII)4着馬。本馬はHalo≒Sir Ivor 3×4に加え、Thong≒Lt.Stevens 5×4を持っており水準が高い。Crafty Prospectorのスピードの質が硬いので、父ゴールドアリュールの特徴と相まってダート向きに出る可能性が高いが、全兄オーロマイスターと違ってこちらは牝馬なので、芝もこなせないことはないだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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