最近10数年のアルゼンチン共和国杯は波乱の連続。人気上位馬同士で決まったことはほとんどない。わかっていても荒れる。
理由の1つは、ハンデ戦であること。もう1つはずっと東京で行われ、本当のスタミナを求められること、2000m前後の力関係が大きく変わるためだった。
中山の2500mの今年も、やっぱり難しい。有馬記念が示すように、このコースの2500mはもっともトリッキーで、ペースしだいでどうにでもなる。また、最近はこの2500mでこそというステイヤーに近いタイプがほとんど不在な点でも波乱含みだ。
どうみてもハイペースはない。スロー必至だろう。となると最大のポイントになる参考レースは、3月の日経賞2500mだろう。
アクティブバイオ(頭)、タップダンスシチー(鼻)、コイントスの1、2、3着。スローのためレースの上がりは34.6秒だった。わずかにかかり気味に動いたコイントスを、タップダンスシチーとアクティブバイオが坂上でつかまえている。
今回変わったのは、あれから半年たって、タップダンスとコイントスがかなり迫力アップした点と、コイントスの騎手がペリエ。タップダンスの騎手が佐藤哲になったことだろう。アクティブは同じ後藤騎手で、56〜57キロの斤量は当時とまったく一緒だ。
プラス大なのは、4歳コイントスは2頭より1歳下の年齢と、また浅いキャリアから考えて、かなりの上積みが見込めることと、ペリエ騎手を得たことだろう。ペリエの長距離戦は天下一品。まったく負担なく気分良く流れに乗って進み、まずロスがない。コース取りも巧みで大胆だ。ほんの小さな差が明暗を分けそうなスローのハンデ戦である。
荒れるハンデ戦という視点では、実績は下でもこの距離は昨年3着2回。2分31秒4の好記録をもつビッグバイキングが怖い。
西のファンタジーSは、ここはパスして欲しかったが、桜花賞候補No.1と見ているピースオブワールドのレースぶりを再確認したい。