京成盃グランドマイラーズ(6月29日 船橋 サラ4歳以上 別定 南関東SIII・1600m)
「京成盃グランドマイラーズ」は、平成9年創設SIII。歴代勝ち馬を並べると、アローセプテンバー、ネームヴァリュー、エスプリシーズ、さらにナイキアディライト、セレン…など交流G級だが、そのわりにレース印象度が薄いのは、当初6月、翌年11月、さらに12月の年もあったりと、施行時季がくるくる変わったためだろう。船橋1600はオーソドックス、正統派が力をみせられる舞台だけに少々残念。理想を言うなら、4月上旬「かしわ記念=GI」トライアル、そのあたりの位置付けか。同時に南関東全体、“多すぎるマイルSIII”の整理、見直しもやはり必要となってくる。もうひとつ、このレースは平成18年だけ特例的に「京成盃スカイライナースプリント=1000m」として施行。今回データは、同年を除く12〜22年、10年間で数字をまとめた。
(1)…波乱含み。1番人気[3-2-0-5]、2番人気[5-0-2-3]。一見悪くない数字だが、このワンツーは過去10年間、1度しかない。3〜5番人気もあまりふるわず(未勝利)、1、2番人気から薄目が妙味か。
(2)…地元優勢。船橋=8勝、2着6と断然に近い成績を収めている。大井、川崎は、それぞれ1勝、2着1と互角。年齢別では、4歳馬=5勝、2着2と大きくリード。次いで7歳=2勝、2着1、5歳=1勝、2着4。
(3)…逃げ=4、先行=4、差し=10、追い込み=2。好位〜中団から抜け出すタイプがやはり主流。連対20頭中16頭までがすでに千六を勝っていた。ジョッキーでは張田騎手=6戦2勝、2着1、3着1が目立っている。
※データ推奨馬
◎セトノギムレット…船橋所属の7歳馬。直前に大井「武蔵野オープン」を快勝している。鞍上・張田騎手。父タニノギムレットで、ハイペース混戦向きの切れが身上。
◎カキツバタロイヤル 56森
○ディアーウィッシュ 56今野
▲イーグルショウ 56坂井
△フサイチピージェイ 56左海
△マグニフィカ 56戸崎
△セトノギムレット 54張田
△イブロン 56水野
テイエムヨカドー 56御神本
ヴァイタルシーズ 56山崎誠
サイレントスタメン 56金子
ドリームトレジャー 54本橋
カキツバタロイヤルの地力をとった。もっとも大きな根拠は、前々走GII「ダイオライト記念」2着。勝者(スマートファルコン)別格は言わずもがなだが、カキツバタ自身も、インパルコ、キングスエンブレム、JRA重賞級と3コーナー手前から同時にスパート、最後決定的な3馬身差をつけている。父ロイヤルタッチ、420kg台、イメージは地味でも、実戦向きのしぶとさ、ガッツが印象的。案外動けなかった前走(大井記念4着)は、外枠が災いし、狙ったインに入れず、終始ちぐはぐになったものと納得する。もとより昨夏「サンタアニタトロフィー」快勝。マイル向きのスピード、切れも備えている。
相手本線は昨年の覇者ディアーウィッシュ。この路線(SIII、1600)で抜群の安定感を持っており、前走「川崎マイラーズ」も4コーナー先頭、ザッハーマインを脅かす2着だった。実績(重賞2勝)と比して別定56kgはいかにも有利。好調期は流れに応じ自在に動ける。末脚勝負イーグルショウが3番手。前走大井記念こそ大敗(15着)だが、当時調整明け(3か月ぶり)に加え、距離2600も長かった。昨春「川崎マイラーズ」で重賞タイトル。前々走船橋「報知グランプリカップ」2着時は、ディアーウィッシュを大外一気に捕えている。
マグニフィカはそろそろ正念場になりそうだ。コスモファントム、バーディバーディ、ミラクルレジェンド…けっして低レベルとも思えない「ジャパンダートダービー」馬。地元船橋では「東京湾カップ」を勝っており、本来の闘志さえ戻ればスピードで圧倒も十分浮かぶ。以下、今回好データがそろったセトノギムレット、JRA6勝、「佐賀記念」2着の実力派フサイチピージェイ。牝馬Gの上位常連テイエムヨカドーはおよそ半年の放牧明けで、それならひと叩きしたイブロン(JRA、1600、4勝)が穴に狙える。