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母のポテンシャルは圧倒的、サトノプレジデント

  • 2011年06月22日(水) 12時00分
●ヴァンヘルシング(牡 栗東・角居勝彦 父ディープインパクト、母シャイニンレーサー)
 母シャイニンレーサーはマーメイドS(GIII)の優勝馬で、フジキセキ(94年朝日杯3歳S-GI)の半姉にあたる良血。繁殖牝馬としてもシャイニンルビー(02年クイーンC-GIII、02年桜花賞-GI・3着、04年京成杯AH-GIII・2着)、シャイニンググラス(準OP)を産んでいる。本馬の父はディープインパクト。シャイニンロミオの全弟にあたる。シャイニンロミオは現時点でまだ1勝しか挙げていないが、デビューから5戦連続で1番人気に推されたように素質十分。すでに入厩を果たしておりデビューの日も遠くなさそう。

●エーシンスピーダー(牡 栗東・西園正都 父Giant's Causeway、母Myhrr)
「Giant's Causeway×Mr.Prospector」という組み合わせは、Ghanaati(09年英1000ギニー-英G1、09年コロネーションS-英G1)、Aragorn(米G1を2勝)と同じ。ただ、本馬のセールスポイントは、母がKingmamboの全妹にあたる良血であること。したがって配合的には「Giant's Causeway×Kingmambo」のRed Giant(08年クレメント・L.ハーシュターフチャンピオンシップS-米G1)に近い。前出のGhanaatiは英1000ギニー(芝8f)を1分34秒22という大レコードで制し、Red Giantはクレメント・L.ハーシュターフチャンピオンシップS(芝10f)を1分57秒16という好タイムで優勝した。速いタイムに対応できるスピードタイプだろう。距離は1400〜2000mあたりがベスト。

●サトノヒーロー(牡 美浦・藤沢和雄 父ディープインパクト、母サトノアマゾネス)
 2代母Prawn CocktailはStorm Catの叔母にあたる。母サトノアマゾネスはデインヒルの娘で、現役時代は[1-1-0-1]という成績。それなりの素質を秘めた馬だった。これにディープインパクトを交配して本馬が誕生した。前向きな気性と回転の速いフットワークを伝えるDanzigはディープインパクトと相性がよく、またAttica≒First Rose 6×5はおもしろい。シンプルな配合だがハマる可能性もある。芝向きのマイラー。

●サトノプレジデント(牡 美浦・藤沢和雄 父シンボリクリスエス、母ダンスインザムード)
 母ダンスインザムードは桜花賞(GI)、ヴィクトリアマイル(GI)の勝ち馬で、ダンスパートナー(95年オークス-GI、96年エリザベス女王杯-GI)、ダンスインザダーク(96年菊花賞-GI)の全妹にあたる超良血。初子のダンスファンタジアはフェアリーS(GIII)を制しており、繁殖牝馬としても非凡なところを示している。本馬の父はシンボリクリスエス。「シンボリクリスエス×サンデーサイレンス」は期待ほどの成績を挙げているとはいえないが、これほど質の高い繁殖牝馬はめったにいるものではなく、母のポテンシャルで走らせてしまうのではないかと思われる。芝・ダート兼用の中距離馬。

●デンコウチャレンジ(牝 栗東・南井克巳 父マンハッタンカフェ、母ベストオブチャンス)
 半兄ビップセレブアイ(父ゼンノロブロイ)は新馬戦の勝ち馬。母ベストオブチャンスは快速サガミコトブキの娘で繁殖牝馬としていいところがあるかもしれない。母方にRainbow Questが入るのは父マンハッタンカフェ産駒の成功パターン。兄よりも本馬のほうが配合的には合うと思われるので、地味ながら出世の階段を上っていくと思われる。芝向きの中距離タイプ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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