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親友の「最多勝利タイ記録」

  • 2011年06月15日(水) 18時00分
 6月3日(金)、釜山競馬の最終レース。アルンダウンジュジュという7歳牡馬で、勝利を挙げることができました。

 2頭の一騎打ちを制して、通算18勝目の勝ち星をつかんだアルンダウンジュジュ。「18勝」は、釜山所属馬の「最多勝利度数タイ記録」なんだそうです。

 18勝のうち8勝は、僕が騎乗して挙げた勝利です。しかも僕にとっては2週間ぶりの勝利だったので、とても嬉しかった。彼は本当に、頼りになる親友です!

内田利雄騎手

 アルンダウンジュジュは前回の韓国遠征時(2008年)に、僕に5勝をプレゼントしてくれました。今回も僕が韓国に来てからずっと、騎乗させていただいています。

 韓国のトレーナーの多くは、われわれジョッキーに事細かく指示を授けるのですが、このアルンダウンジュジュに限っては、すべてを任せてもらっています。

「この馬はウチダさんとチング(友達)だから、この馬に合わせて乗ってもらえればいいよ」

 こういうことを言ってもらえると、騎手冥利に尽きますよね。

 アルンダウンジュジュは闘争心の旺盛なタイプ。そして、すごく頭がいいんですよ。馬まかせのレースをしても、3コーナーに入ると自らハミを取ってグングン上がっていく。ちゃんと仕掛けどころをわかっているんですね。

 アルンダウンジュジュは僕が帰国している間に屈腱炎を発症して、1年間も休養していました。厩舎スタッフの話によると、難しい手術を受けて復帰にこぎつけたようです。屈腱炎を乗り越えてタイ記録を樹立したのだから、たいしたものですよね。

 先に最多勝利記録を樹立した馬はまだ現役ですし、背後には連勝中の馬が迫っています。だから新記録を達成したとしても、すぐ塗り替えられるとは思うのですが、一度だけでもトップに立たせてあげたいですね。ヨルシミハゲスミダ(頑張ります)!

 さて、3回目のペナルティー(進路関係)を受けたことに伴い、騎乗停止になりました。今週の金曜と日曜の競馬はお休みです。ちょうど左の足首を捻挫してしまったところなので、休養中にしっかり患部を癒して、復帰に備えようと思います。それではみなさん、アンニョントパヨ!(また会いましょう)(^o^)/~

内田利雄騎手

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Mr.PINKの愛称で親しまれる3000勝の名手。サラブレッド最多勝記録(43勝)をマークしたブライアンズロマンや、快速牝馬・ベラミロードとのコンビで知られる。栃木県の宇都宮競馬に所属していたが、2005年3月の廃止に伴い、さすらいのジョッキーに。現在、地方競馬史上初のフリー騎手を目指して全国を転戦中。

※当コラムは隔週更新となります。

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