京成盃グランドマイラーズは、過去の勝ち馬を見てみると圧倒的に船橋勢が強いレース。今回はそんな船橋勢の話題を中心にお届けしていきましょう。写真はレース前日のみんなの表情ですよ。
昨年の覇者ディアーウィッシュ(今野忠成騎手騎乗、船橋・出川克己厩舎)は、ここも満を持して参戦してきます。
前走の川崎マイラーズは同厩舎の女傑ザッハーマインに敗れて惜しい2着になってしまいましたが、休み明けでも非常に素晴らしい走りを見せました。
その後も順調に調整を行ってきたそうで、「青写真通りの調教ができました。負けたら悔しいけど、悔いはないって言えるくらいに仕上がったと思います」と出川調教師。
レース前日に最終調整を見てきたんですが、調教でもクーリングダウンでも洗い場にいる時でも、研ぎ澄まされた抜群の雰囲気を漂わせていて、体全身から状態の良さがビンビン伝わってくるかのようでした。
「普段から、むだな動きを一切しないし、いい意味での落ち着きが出てきましたね。寒い時期よりも暖かい方がいい馬かもしれません。去年勝った時と同じくらいに、いい感じで臨めそうです」と斉厩務員も明るい表情。
テンのスピードが速いので、いい所につけてスムーズな競馬ができるという強みのある馬です。それが、常に高いレベルで安定した走りにつながっているんでしょう。3つ目のタイトル奪取までもう少し……。
厩舎地区で取材をしていると、「マグニフィカがかなり良くなっている」という声が聞こえてきました。
マグニフィカ(戸崎圭太騎手騎乗、船橋・川島正行厩舎)は昨年のジャパンダートダービー(JDD)の覇者。サプライズパワーやマズルブラスト、マニエリスムでもお馴染みの多田厩務員や川島厩舎の調教の要・佐藤裕太騎手も「自分の走りができれば能力は一級品」と能力の高さには一目置いています。
しかし、JDDを最後に勝ち星から遠ざかって元気のない成績が続きました。ここ2戦は59キロという過酷な斤量も大きな壁となりましたが、それでも前走の川崎マイラーズは逃げて5着に入り、優勝したザッハーマインから1秒1差と復調の兆しが十分に見られたように思います。
今回は何より3キロ軽い56キロで出走できるのは大きいですよ。さらに、「前走より持ち上がっているし、雰囲気は本来のデキに戻ってきています。力は出し切れる状態です」と佐藤騎手からもうれしいコメントが聞かれました。
あとは、「まだまだ子供」と多田厩務員が言うように、精神面での成長が待たれます。スムーズな競馬が必須なので、「逃げた方が持ち味は生きる」と川島調教師も言っていて、前回に続いて積極的な競馬が見られそうです。
川島厩舎&戸崎騎手のゴールデンコンビの勢いはここでも健在でしょうかぁ。
前走の大井記念は1番人気ながらも4着に敗れてしまったカキツバタロイヤル(森泰斗騎手騎乗、船橋・函館一昭厩舎)。「内に入ってしまって、小さい馬だからかなり厳しい競馬をさせられたよ。自分のリズムで全く走れなかったし、普通の馬なら着外になるくらいのダメージだったと思うけど、やっぱり力はあるんだなぁ」と武川厩務員は振り返っていました。
ダイオライト記念(2着)からコンスタントに使われているので、疲れを残さないように状態面をキープすることができたそうです!
最後に、中央から南関東に仲間入りをしたばかりのA1馬3頭についてお伝えしましょう。
中央6勝馬フサイチピージェイ(左海誠二騎手騎乗、船橋・出川克己厩舎)。重賞レースで好走経験がありますねぇ。
「ポテンシャルは高い馬だと思いますが、もう少ししたらもっとすごい馬になるんだろうなぁという感じもあるし、転厩緒戦なのでまだ未知の面が大きいです。これから重賞を何個も獲ってくれるだろうなぁと思えるくらい楽しみな馬ですよ」(出川調教師)
中央5勝馬テイエムカゲムシャ(吉田稔騎手騎乗、船橋・渋谷信博厩舎)。快速牝馬ベラミロードの半弟にあたり、地方競馬ファンにも魅力的な血統です。
「本追い切りでは格下に遅れてしまってまだ半信半疑の面はありますが、レース前日にも強めでピッシリ動かして、レースにいって変わって欲しいですね。ダート適性はあると思うけど砂をかぶるは好きじゃないそうだから、その辺りは気をつけたいです。この後は習志野きらっとスプリントを予定しています」(渋谷調教師)
09プリンシパルSを優勝し、日本ダービー(10着)にも出走した4勝馬ケイアイライジン(酒井忍騎手騎乗、船橋・川島正行厩舎)。
「能力はかなり高いと思うし、本追い切りの動きもすごく良かったぞ。ただ、今回は転厩緒戦だからまずはどんな走りをするかだな」(川島調教師)
川島厩舎でこれからどのように再生されていくのか楽しみです。