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帝王賞

  • 2011年06月28日(火) 18時00分
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 偉大なるゴールドアリュールの愛息エスポワールシチーとスマートファルコン。今年6歳という共通点もある孝行息子たちが、いよいよ初対決しますね。その舞台が帝王賞であることは本当に光栄なことです。

 でも、ここにフリオーソがいてくれたらなぁと思っているファンもたくさんいるでしょう。わたしもそのひとりです。

 脚元の疲れで回避しましたが、現在は順調に過ごしているそうですよ。「秋に向けての回避だよ。これまでも無理をさせなかったことが功を奏して、また強くなっていっただろ」と川島調教師。

 具体的なローテーションはまだ白紙ですが、秋にはさらにパワーアップしたフリオーソの走りを見せてもらいましょう!

昨年の帝王賞

 さぁ、いつものようにダートグレードレースは南関東勢の取材リポートを中心にお届けします。各陣営とも「中央勢は強い」と言うのが前置きでしたが、競馬は何が起こるかわかりません。南関東のいちファンとしては、みんなの頑張りを信じて応援するのみです!

 大井の大将9歳ボンネビルレコード(大井・庄子厩舎)は帝王賞6年連続の出走です。ただ出ているだけではありません!5着、優勝、1着、3着、3着と抜群の相性を誇っているんです。「長年この仕事をやっているけど、これほどの馬は見たことがない。本来なら出せるだけでもすごいレースだからね」と庄子調教師もしみじみ言っていましたが、大井競馬史の中でも貴重な記録かもしれません。

厩舎でのボンネビルレコード

 ここ最近は元気のない成績が続いていますが、差し馬の宿命と言いますか、展開に左右されたり壁になって不利があったり……。

 体調面での大きな上積みはありませんが、それでも、「追い切りも楽に動いていたし、獣医さんも心臓の具合いは良いと言ってくれています。あきらめちゃいけないですよね」と庄子厩務員。

 9歳とは言っても若い頃とは変わらずに、調教では的場騎手がつきっきりで長い距離をじっくり乗り込んでいるそうです。先日、的場騎手が川崎の最終レースで落馬をしてしまいましたが、それでも翌朝からボンネビルレコードをはじめとした調教馬に乗っていたそうです。ボンネビルレコードには的場魂が込められているんです。

 今回はどの陣営も、エスポワールシチーとスマートファルコンの出走で、自然とハイペースになるだろうと見ています。「頭数が少ないからさばきやすい」と庄子調教師も言っていましたが、あとはどのくらい差してこれるでしょうか。

ボンちゃん&的場騎手のゴールデンコンビ

 ボンネビルレコード&的場騎手のコンビなら、何かやってくれるかもしれないと夢を託したくなってきます。

 羽田盃馬シーズザゴールド(大井・荒山厩舎)。非常に乗り難しいと言われている馬で、道中はいかにハミをかけずに自分のペースで楽に行かせて、最後に爆発させられるか。今野騎手との相性も良く手綱さばきにも注目ですねぇ。

 とにかく折り合いが最大の鍵になるので、南関東同士のペースよりも、中央馬が入るハイペースの方が走りやすいだろうと荒山調教師は見ています。

 4歳夏を迎えて充実期にも入っているようで、「普段の動き自体も良くなっていて、羽田盃より雰囲気はいいと思っています。最近は大人になってきて前より落ち着きも出てきました」と担当の仁岸厩務員。

 一方、昨年のジャパンダートダービーの覇者マグニフィカ(船橋・川島正厩舎)は連闘策。

 前走の京成盃グランドマイラーズは56キロ(その前のレースが59キロ)で戦えてさらに調子も上げていて期待も大きかっただけに、道中は好位内目から進めて最後は全く伸びずに7着止まりだったのは本当に残念でした。「これまでの競馬を見ていると、砂をかぶらない方が結果は出ているように思うけど……わからない」と川島調教師。

 思いっきり走っていなかったようでレース後の疲れもほとんどなかったことから出走決定。川島厩舎にしては非常に珍しい連闘策で、マグニフィカの闘志にスイッチが入るといいですねぇ。能力は一級品であることはかかわる人たちが感じていることなので……。

 スムーズなレースは必須なので、少頭数で外枠に入ったのはいい条件とも言えるでしょう。

 中央5勝、金沢では無敗の最強馬として鳴り物入りで南関東に仲間入りをしたタートルベイ(船橋・矢野厩舎)。南関東に転厩以降、案外なレースもあったんですが、追い出してからの反応がイマイチなのは、舌を越してしまって集中して走れていないということがわかり、それ以降は舌をひもで縛るようになりました。

 かしわ記念(9着~は度外視しても、前走の大井記念は優勝したマズルブラストから0.7秒差の3着。それでも、「スローで前残りの展開になったし、不利もあったからね。折り合いはつくから長いところはいいし、これからやれそうっていう手応えはつかめた」と御神本騎手も明るい表情でした。今回も引き続き舌を縛って出走予定です。

「やっと歯車が合ってきたって感じかな。今回の本追い切りも楽に時計を出していたし、汗をかいてカイバも食べるから、夏場の方が良さそうだね」(松元厩務員)健康体ですぐ実になりやすい体質ですが、510キロを切る体では走らせたいそうです。

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南関東競馬を拠点に活動中。仙台生まれの山形育ち。NHK山形放送局キャスター後、競走馬のことを伝える仕事に就きたく上京。東京シティ競馬中継(MXTV)を経て、南関魂、TCKホームページ、競馬総合チャンネル地方競馬コース、楽天競馬、ウェブハロンなどで活動中。今の一番の喜びは、拠点にしている南関東所属馬が大舞台で頂点に立ったとき。

※当コラムは南関東重賞の前日更新となります。

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