スパーキングレディーカップ前日に船橋競馬場へ行ってみると、南関東クラシック三冠目ジャパンダートダービーを目前に控えたクラーベセクレタ(船橋・川島正行厩舎)が元気に調整中でした。調教パートナーの佐藤裕太騎手を背に、内馬場をビュンビュン回っているのはいつもの光景。
7月13日(水)には22年ぶりに牝馬の三冠馬が誕生するんでしょうか。
その前に……
先輩牝馬たちにいい走りを期待しましょう。スパーキングレディーCは3連覇をかけた砂の女王ラヴェリータをはじめ中央所属の重賞ウイナーたちが勢ぞろいしています。
南関東は当初予定していたハーミア(大井・荒山勝徳厩舎)が脚元に少々疲れが出たために大事を取って回避し、8月3日のサンタアニタトロフィーに直行することになりました。
プリマビスティー(船橋・岡林光浩厩舎)は本追い切り前に脚をぶつけるアクシデントがあったために、こちらも自重。
ハーミアもプリマビスティーもここに向けて非常にいい状態だっただけに本当に残念ですが、次に向けて頑張って欲しいと思います。
南関東の出走メンバーで実績的にトップなのはツクシヒメ(山田信大騎手騎乗、船橋・山浦武厩舎)です。09黒潮盃と09TCKディスタフを優勝し、09関東オークス2着、10TCK女王盃と10エンプレス杯ではともに4着と、ダートグレードレースでも高いレベルで安定した走りが光っていました。成績が示しているように高い能力の持ち主なんです。
その後は脚元の不安で1年2カ月のブランクがあり、ここ2戦は本来の走りが見られませんでした。今回は休み明け叩き3戦目で、状態はアップしているようです。
「動きも気配も変わってきていい頃に近づいてきたね。元々時計は出る馬だけど、これまでは頑張って49秒を出している感じだった。けど今回は楽に出している」と山浦調教師。
山浦厩務員(山浦調教師のお兄さん)は「攻め馬もピリッとしてきたし、やっとメンタル面が目覚めてくれた感じかな。カイバ食いはいい馬だけどさらに食いつき方が良くなっていて、いい頃に戻りつつあると思う。夏に向けてグングン上向いているのは3歳の頃と一緒だね」と非常に明るい表情でした。
この馬にとってマイル戦は忙しい感もありますが、あとはレースに行っての闘志がどこまで戻っているか。自分の力さえ出してくれれば、ここでも上位争いをするくらいの力は持ち合わせていると思うんですが……。
九州産・霧島賞の勝ち馬テイエムヨカドー(森泰斗騎手騎乗、船橋・渋谷信博厩舎)。
「今回は休み明け叩き2戦目で、いつも調教をつけている中井さんも『自分からハミを取って変わってきた』と言ってくれて、元気のいい頃に戻ってきたように思いますね。前回は展開面もあったし、今回は好位から正攻法の競馬をさせたい」(渋谷信博調教師)
テイエムヨカドーを管理する信博調教師のお父さん信隆調教師が送り出すスズリスペクト(江川伸幸騎手騎乗、船橋・渋谷信隆厩舎)。「前走は出遅れたし、今回はスタートが決まれば積極的な競馬はさせたい。スムーズな競馬さえできれば渋太さもあるし、相手はかなり強くなるけど頑張って欲しいね」(渋谷信隆調教師)
10年しらさぎ賞の勝ち馬ジョーイロンデル(坂井英光騎手騎乗、浦和・小久保智厩舎)。その後元気のない成績が続いていたんですが、前走は久しぶりの掲示板で堂々2着に入りました。厩舎サイドのお話しでは、集中して走っていないということで、前走からブリンカーを着用したそうですがそれも功を奏したようです。
そして、笠松からはトウホクビジンがまたまた参戦してきます。南関東でコンビを組む本橋孝太騎手のお話しでは、トウホクビジンは非常に器用なのでコーナーで使える脚がすごい馬、と。今回もその良さを発揮する競馬運びになるとは思いますが、アッと驚く走りを見せてくれるでしょうか。