●ヴィルシーナ(牝 栗東・友道康夫 父ディープインパクト、母ハルーワスウィート)
母ハルーワスウィートは5勝を挙げて準OPまで出世した。その半弟にはデビュー以来3連勝でラジオNIKKEI賞(GIII)を制したフレールジャックがいる。フレールジャックと本馬は同じディープインパクト産駒なので、両者は4分の3同血の関係にある。これが本馬の最大のセールスポイント。Halo 3×4・5で、Mr.Prospectorが入り、しかも牝馬に出たので、かなり素軽いタイプではないかと思われる。仕上がりも早そうなのでデビュー戦から期待できる。芝向きのマイラー〜中距離タイプ。
●ヒシラガーディア(牝 美浦・久保田貴士 父マンハッタンカフェ、母デック)
全兄マンハッタンスカイは福島記念(GIII)の勝ち馬で、重賞で繰り返し上位入線を果たしている活躍馬。母方にMr.ProspectorとNijinskyの組み合わせを持ち、底力の担保としてRibot系の血を持っている。これらはマンハッタンカフェ産駒の成功パターンなので、マンハッタンスカイは決してラッキーパンチで走ったわけではなく、全弟全妹における再現性は高いものと思われる。マンハッタンスカイは初勝利を挙げるまでに11戦を要したが、こちらは仕上がりの早い牝馬なので、もう少し早くから開花しそうな雰囲気がある。芝向きの中距離タイプ。
●ボルボレッタ(牝 栗東・松田国英 父ウォーエンブレム、母フサイチエアデール)
ライラプス(05年クイーンC-GIII)、フサイチリシャール(JRA賞最優秀2歳牡馬)の半妹にあたる良血。母フサイチエアデールは重賞を4勝した名牝だった。「ウォーエンブレム×サンデーサイレンス」は連対率26.8%と優秀。チューリップ賞(GIII)を勝ったエアパスカル、シリウスS(GIII)を勝ったキングスエンブレムが出ており、確実性があってコンスタントに走っている。このファミリーは基本的に2歳戦から走る傾向が見られるが、Mr.Prospector 3×3を持つのでその傾向はさらに強まるかもしれない。芝・ダート兼用のマイラー。
●マイネルハートレー(牝 栗東・加用正 父ディープインパクト、母コスモヴァレンチ)
半姉マイネショコラーデ(父ロージズインメイ)は函館2歳S(GIII)2着馬。半兄ドリームバレンチノ(父ロージズインメイ)は4勝を挙げてOP入りを果たした。母コスモヴァレンチは、ロージズインメイとの交配で優れた産駒を出しているので、繁殖牝馬としてはかなりの器ではないかと思われる。父がディープインパクトに替わったことで、さらなる大物が誕生してもおかしくない。芝向きのマイラー。
●マーチャンテイマー(牝 栗東・松田博資 父クロフネ、母マサコチャン)
全姉ベストクルーズはファンタジーS(GIII)2着、阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)3着などの成績がある。同牝系で同じ父を持つ馬にホエールキャプチャ(11年クイーンC-GIII)とは配合構成がきわめて近い。両馬はブルームーン=とブルーグロットという全きょうだいクロスを持っており、これが配合の決め手ではないかと思われる。チヨダマサコの牝系にクロフネを交配すると、自動的にこの全きょうだいクロスが生じるので、今後とも注目していきたい配合だ。芝向きのマイラーで仕上がりは早い。