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ジャパンダートダービー

  • 2011年07月12日(火) 18時00分
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 南関東クラシック3冠目ジャパンダートダービーがいよいよ近づいてきました。

ロジータ

 写真は22年前の南関東三冠馬ロジータです。昨年会ってきた時のものですが、今年25歳になりました。生まれ故郷の高瀬牧場さん(新冠)で、現在は繁殖生活を終えて悠々自適な日々を送っています。

 こんな偉大な先輩牝馬に肩を並べようと、二冠馬クラーベセクレタ(船橋・川島正行厩舎)が三冠に王手をかけています。

 北海道時代はノーザンファーム空港牧場で仕上げられてきた外厩馬で、南関東にきてから5戦5勝の負けなし。

「最初の頃からスピードがあってセンスも抜群。ちょっと気持ちが入る所はありますが、それがいい意味での根性にもつながっていますしね。課題は何もないです」とコンビを組む戸崎圭太騎手。

 一方で、川島調教師は「こんな牝馬はなかなか出ないと思うよ。ロジータに匹敵するようなスターホースになる資質を持っている」

 これまで、たくさんの名馬にかかわってきた地方競馬NO.1コンビからここまでお褒めの言葉が出てくるのも、クラーベセクレタのすごさのような気がします。

クラーベセクレタの追い切り

 南関東クラシック三冠は上半期にすべて実施するのでかなりハードローテーションです。クラーベセクレタもしかり。

 東京ダービー後は、1週間曳き運動で疲れを取ってから調教を開始。この中間も順調に調整を行ってきたそうで、9日の本追い切りは単走で抜群の動きを見せていて、62.3-48.7-36.7秒をちょっと気合いをつけた程度のほぼ馬なりで出していたのは圧巻でした。

「単走で気持ちよく伸び伸び走れた分、追い切り後の疲労感も少ないはずなので、併せた前走よりも状態はいいと思います。それが最後の伸びにつながってくれるといいですよね」と調教パートナーの佐藤裕太騎手。

 気になるのは、どんどん減ってきている馬体重(東京ダービー時456キロ)ですが、通常の2回カイバではなく3回に分けているそうで、前走よりも食べてはいるそうです。体重が減っていないといいですね。

 レース前日の最終調整では、内馬場でダク1周キャンター1周半をいつも通りに順調に終えたそうです。

クラーベセクレタ

 前走の東京ダービーは3コーナー付近で他馬にかぶせられる不利がありながらも、ひるまずに追走していきました。可憐な3歳牝馬にとってはマイナス要素ではあったと思いますが、改めてこの馬の芯の強さ見せてもらったような気がします。

 あとは初めて対戦する中央馬たちとの力関係ですね。クラーベセクレタらしい走りを見せてほしいと思います。

 東京ダービー2着のヴェガス(川崎・八木仁厩舎)。新馬戦から2連勝を飾った高い能力の持ち主ですが、3戦目で挑戦した新潟競馬場のダリア賞(7着)後なかなか疲れが抜け切らずに元気のない成績が続きました。

 現在の好調さは、その疲れが取れてきたというのも大きいでしょう。砂をかぶるのも平気になり、前は気難しさがありましたが、今は自分から瞬時に動けるようになりました。

 前走後はまったく疲れもなく、さらに上積みが出てきたそうですよ!

 いつも調教をつけてレースでもコンビを組む酒井忍騎手は「力強くなって、筋肉がしっかりしてきて全体的に大きくなった感じがします。さらに良くなっているので楽しみですよ」とニッコリ。

 酒井騎手のお父さん酒井正男厩務員は、「体にメリハリがついてきたし、目つきも男らしく精悍になった感じかな(笑)」

 酒井学騎手のお父さんとお兄さんが、親子で大一番に挑みます。

「いい枠を引いたし、あとは流れが速くなって追い込み向きの展開になってくれれば……」(八木仁調教師)

「この仔には運がほしいよ」と浦和の若大将キスミープリンスを管理する小久保智調教師は言っていましたが、南関東競馬の3歳世代のトップクラスに君臨しているのは一目瞭然なんですが、このクラシックはあまりにも運がなさ過ぎです……。

 2走前の羽田盃は、鞍上の内田博幸騎手が直前のレースで落馬負傷したために柴山雄一騎手に乗り替わり、返し馬前に鞍を替えて、レースでは集中力に欠いてまったく力を出し切れずに6着に終わりました。

 そして、前走の東京ダービーは的場文男騎手とのコンビで挑みましたが、3~4コーナーで前がつまる不利を受けて3着。「あの不利がなければ勝った馬とも差はなかった。力はある馬なのに……」と何度も何度も厩舎サイドに頭を下げていた的場騎手。

 昨年の全日本2歳優駿は休養明けでまだ途上だったにもかかわらず3着に入り、全国区であることはすでに証明済み。相手なりに走れて崩れない点も強みです。

「不利なく4コーナーを回って叩き合いに持ち込めれば勝負根性もあるしヒケは取らないと思うんだけど……あとは運だよ、運」(小久保調教師)

 鞍上の的場騎手は大井の帝王としても存在感は抜群ですが、まだ東京ダービーを制したことがなく、それは大井の七不思議のひとつにも挙げられています。(あと6つが何かは不明ですが(^_^;))今回、ジャパンダートダービーを制したら、それはそれでドラマが誕生しちゃうなぁと、個人的には思ったり……。

 各地のダービー馬も果敢に参戦してきます。

 岩手ダービーダイヤモンドカップの勝ち馬ベストマイヒーロー(岩手・瀬戸幸一厩舎)……。レース前日の午後4時半頃に、同じ岩手のスパルタンと大井入り。

「普段は無駄な力を使わないタイプなんですが、環境の変化を気にしないで走ってくれれば……。今後に向けてもいい経験になってほしいです」と担当の富澤文智厩務員。

 東海ダービー馬アムロ(名古屋・川西毅厩舎)に関して川西調教師は、「自分のリズムでさえ走れれば、バテない底力があります。今回は今まで戦ってきた相手とは違うので、ひとつでも前でゴールできるようにがんばりたいです」

 以上、いつものように地方馬中心にお伝えしました!

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南関東競馬を拠点に活動中。仙台生まれの山形育ち。NHK山形放送局キャスター後、競走馬のことを伝える仕事に就きたく上京。東京シティ競馬中継(MXTV)を経て、南関魂、TCKホームページ、競馬総合チャンネル地方競馬コース、楽天競馬、ウェブハロンなどで活動中。今の一番の喜びは、拠点にしている南関東所属馬が大舞台で頂点に立ったとき。

※当コラムは南関東重賞の前日更新となります。

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