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朝日杯〜皐月賞路線で狙いたいファイナルフォーム

  • 2011年07月20日(水) 12時00分
●ダイワデッセー(牝 栗東・松田国英 父スペシャルウィーク、母ダイワエンジェル)
 2代母プリンセススキーはラジオたんぱ杯3歳牝馬特別S(GIII)の勝ち馬。父スペシャルウィーク、母の父タイキシャトルは配合構成がよく似ている。いずれも父がHalo系で、それぞれの母の父が「Nijinsky+Princequillo+La Troienne牝系」のマルゼンスキーとCaerleon。サンデー系の成功パターンであるHeliopolisが母方に入る点も好感が持てる。なかなかの好配合馬だ。全兄ダイワアセットは共同通信杯(GIII)4着、東京スポーツ杯2歳S(GIII)5着と走っている。GI級の迫力は感じられないが、素軽さと確実性はあるので、兄と同じく重賞クラスでの活躍を期待したい。

●デアリングプライド(牝 栗東・藤原英昭 父ダイワメジャー、母デアリングダンジグ)
 半兄に武蔵野S(GIII)などダート重賞を3勝したピットファイター(父Pulpit)、府中牝馬S(GIII)2連覇など重賞を3勝したデアリングハート(父サンデーサイレンス)がいる。父ダイワメジャーは皐月賞、天皇賞・秋、マイルCS[2回]、安田記念などG1を5勝した名馬。4分の3妹に女傑ダイワスカーレットがいる超良血でもある。今年の2歳世代が初年度産駒で、現在21頭が24走して1勝(2着6回)という成績。現時点では詰めの甘さがうかがえるが、最近のサンデー系有力種牡馬は2歳夏のローカル時点ではエンジンが掛からないことが多いので、秋以降の頑張りに期待したいところ。母が「Danzig×Briartic」という力強い配合なので、洋芝や短距離戦、あるいはダート戦で頭角を現すかもしれない。

●トライチャンス(牡 栗東・昆貢 父ゴールドヘイロー、母カトリア)
 父ゴールドヘイローは南関東の大井で8戦5勝(重賞勝ち鞍はなし)。父サンデーサイレンス、半兄ロードプラチナム(函館記念)という良血を買われて種牡馬入りした。地方競馬で好成績を挙げており、チョットゴメンナ(平和賞)、モエレエターナル(ニューイヤーC)、ギオンゴールド(九州ダービー栄城賞)などコンスタントに重賞勝ち馬を送り出している。中央でもモエレカトリーナが紫苑S(OP)を勝った。本馬は前出のモエレエターナルの全弟で、アポロフェニックス(11年アイビスサマーダッシュ-GIII・3着)の半弟でもある。ニヤー≒Caerleon 3×2はおもしろい。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

●ファイナルフォーム(牡 美浦・堀宣行 父ディープインパクト、母ファイナルデスティネーション)
 母ファイナルデスティネーションはNZ1000ギニー(G1)など同国でG1を2勝した名牝。その父O'Reillyはラストタイクーン産駒で、ニュージーランド年度代表馬に輝いた快速馬。これにGone Westを交配してダノンムロー(07年ファルコンS-GIII・4着)が、Fusaichi Pegasusを交配してファイナルスコアー(OP)が誕生した。本馬の父はディープインパクト。母方にラストタイクーンを持つディープインパクト産駒には、マルセリーナ(11年桜花賞-GI)、ターゲットマシン(11年ラジオNIKKEI賞-GIII・4着)などがいる。素軽いスピードを武器とし、朝日杯フューチュリティSや皐月賞で本領を発揮するだろう。

●マイネルレーサー(牡 美浦・国枝栄 父ジャングルポケット、母レース)
 全兄アドマイヤシャトル(OP)、半兄トーセンアレス(10年伏竜S-OP)、アドマイヤレース(準OP)、半姉アドマイヤリッチ(OP)、レースウィング(準OP)など、兄姉はコンスタントに上級クラスに出世している。母レースは、ダンスパートナー、ダンスインザダーク、ダンスインザムードの従姉妹にあたる良血。同じジャングルポケットを父に持つ全兄アドマイヤシャトルは、ダート中距離を主戦場に5勝を挙げてOP入りを果たしている。本馬も似たようなタイプだろう。ダート替わりで狙いたい。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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