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ジャパンダートダービー

  • 2011年07月12日(火) 12時00分
ジャパンダートダービー(7月13日 大井 サラ3歳 定量 JpnI 2000m)

「ジャパンダートダービー」は平成11年創設、当初からGI格で行なわれ今年第13回目を迎える。中で13年トーシンブリザードが南関東クラシック3冠(当時・東京王冠賞があり実質4冠)に輝き、JRA側からも14年ゴールドアリュール、17年カネヒキリなど、後のビッグネームが次々と誕生した。ただこのレース、不思議の勝ち、不思議の負け、そんなケースもしばしばみられ、例えば12年アグネスデジタル大敗(1人気・14着)など、今思ってもミステリーとしか言葉がない。JRA人気馬=大井初コースなら、無条件で疑ってみる手があるだろう。逆に、一昨年テスタマッタ、昨年マグニフィカ、優勝馬がそれから意外なトンネルに入っているのも一つ事実だ。

(1)…波乱含み。1番人気[4-1-1-4]、2番人気[1-2-2-5]、3番人気[2-3-2-3]。1→2人気の決着は現実に1度もなかった(裏目が1度)。前2年優勝は、4・6番人気。

(2)…JRA対船橋。JRA=7勝、2着7、船橋=3勝、2着1。JRA独占を船橋が一矢報いる形で流れ、この傾向が動かない。大井、川崎がそれぞれ2着1。他地区馬はふるわない。

(3)…ユニコーンS組。東京ダービー優勝馬[1-1-1-3]も悪くはないが、対してユニコーンS優勝馬[1-2-1-2]、出走馬トータル[3-4-2-11]と明らかにリードする。牝馬は[0-1-0-9]。

(4)…好位差し。逃げ=3、先行=5、差し=11、追込=1。優勝馬平均キャリア=7・7戦、同2着馬=9・0戦。カネヒキリ、サクセスブロッケンを例外とすると素質だけでは勝ちづらい。

※データ推奨馬
◎ボレアス…キャリア8戦、[2-3-1-2]の成績は必ずしも完璧ではないが、それでもユニコーンS小差3着、ダートは掲示板を外していない。ディープインパクト(その父サンデー)×フレンチデピュティは、近年このレースに強い血脈。そして武豊Jはゴールドアリュール、ビッグウルフ、カネヒキリで3度優勝(3着2度)。

◎グレープブランデー 56横山典
○ボレアス 56武豊
▲クラーベセクレタ 54戸崎
△ヴェガス 56酒井
△エーシンブラン 56岩田
△タガノロックオン 56川田
△キスミープリンス 56的場文
 ベストマイヒーロー 56菅原勲
 ピュアオパール 54吉田豊
 カネマサコンコルド 56池添
 マニエリスム 54御神本
 ジャクソンライヒ 56森下

 ロジータ以来の2冠牝馬クラーベセクレタに、JRAユニコーンS組が激突。記者予想パターン、いつもなら無条件クラーベ◎とするのだが(心情を含め)、今回はどうも推し切れない部分を感じている。羽田盃(7馬身差)→東京ダービー(1馬身差)、同じ相手に大きく差を詰められたこと、その時計自体が平凡だったこと。何より当日のパドック、9kg減の馬体がその数字通り寂しく写った。確かに凄い馬だと思う。スピードもセンスも勝負根性も、3歳牝馬としてはズバ抜けている。ただ昨暮れ転入後、常にプレッシャーの中で戦った5戦5勝。さらにプラスアルファは難しい(少なくとも今春時点)とも正直思う。

 で「ユニコーンS」。勝者・アイアムアクトレスが先週「スパーキングレディーカップ」大差3着からは、レース自体の評価が揺らぐが、それでもグレーププランデーの末脚には凄みを感じた。大型馬でいかにも不器用。好位から俊敏に抜け出したアクトレスに対し、こちらは終始外々を回るロスの多い競馬とみえた。父マンハッタンカフェ、事実、デビューから一貫、中〜長距離照準に使われてきた経緯もある。いったんエンジンがかかって、どこまでも伸びるイメージ。大井二千、まさしく完全燃焼の舞台だろう。

 ボレアスは、そのユニコーンS3着、遡って京都「いぶき賞」2着、グレープの好敵手といえる馬だ。血統通り瞬発力とセンスがあり、折り合って差す競馬なら一気に突き抜けて不思議ない。他のJRA馬、エーシンブラン、タガノロックオン、さらにピュアオパールは、現時点逃げてベストの印象で、今回インを引き当てたジャクソンライヒ(東京湾カップ勝ち)がいるだけに、楽な展開にならないだろう。中では、母系にダート活躍馬が並ぶタガノロックオンがぎりぎりの争覇圏か。以下、東京ダービーをクラーベに1馬身差、再び無欲で乗れるヴェガス、鞍上の腕と闘志に期待してキスミープリンス。“3着”まで対象の3連複、3連単馬券ならさまざま狙いが浮かんでくる。

 記者自身は、グレープブランデー=ボレアス=ヴェガスの3連複をまず買うことにした(11→9→10の3連単も少し)。クラーベセクレタを馬券に絡ませるかどうかは、当日の気配(減らないことが絶対条件)をみて判断したい。1〜3番人気まで拮抗、基本である単勝オッズ自体、今回どうにも読みづらいこと。「どこかに食い込む…」、いわゆるマルチ流し的な穴馬なら、盲点になっているヴェガスを推す。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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