習志野きらっとスプリント(7月21日 船橋 サラ3歳以上 地方競馬交流 別定 1000m)
「習志野きらっとスプリント」は、新設南関東SIII。船橋1000m、いささか濫造気味、食傷気味…の短距離重賞だが、今回は“地方競馬交流”という部分にとりあえず新味があり、しかも第1回、タイミングよく人気馬ラブミーチャンが出走してきた。
最重量58kg、最軽量56kg、実績上位馬に絶対有利な別定戦。真夏の名物レース…そう定着すべきハイレベル激戦を期待する。ただ、当初登録があったナイキマドリード(昨年・NAR最優秀短距離馬)回避は少し残念。
もう一つ、この時季を考えれば、3歳馬の挑戦があってよかった。6月29日大井「優駿スプリント=1200」、優勝ミヤサンキューティ、同2着セントマーチとも、現時点で古馬に遜色ないスピード能力がイメージできる(時計互角)。前者51kg(牝馬)、後者53kgの恵量を思うとなおさら惜しい。
◎ジーエスライカー 57坂井
○コアレスピューマ 57本橋
▲ラブミーチャン 56濱口
△バトルファイター 56石崎駿
△ダイワエンパイア 57今野
△ローレルウェルシュ 56御神本
△ニシノコンフォサス 58阪野
エイシンタイガー 58岡部誠
ジーエスライカーに絶好のチャンスが巡った。昨春クラシックトライアル「京浜盃=大井1700」勝ちもあるが、父サウスヴィグラスで本質やはりスプリンター。千〜千二[4-1-0-2]、とりわけ今年1月「船橋記念」はズバ抜けて強かった。
道中2番手から楽々と抜け出し3馬身差独走劇。58秒8の時計自体、「JBCスプリント」ナイキマドリード58秒5(2着)と互角に近い。前走「さきたま杯」2着も、初コースGII、ラブミーチャンとの先行争いをしのぎ、なおかつスーニ、ダイショウジェットらJRA勢を振り切ったのだから胸が張れる。実績、勢い、コース適性、すべてに条件がそろい、それでいて今回57kgはきわめて有利だ。
○コアレスピューマ、▲ラブミーチャン、△バトルファイターの比較は少し迷った。それでもコアレスは7歳馬ながら文字通り円熟期にあり、短距離なら相手と流れに応じ緩急自在。今季飛躍的に腕を上げた本橋Jとのコンビにも魅力が大きい。
ラブミーチャンは、言わずもがなGI「全日本2歳優駿」圧勝の天才牝馬。今季3戦、積極的、活発なレースぶりからは早熟の言葉も当たらない。ただ同馬(11番枠)はハナを切ってやはりベスト。けっして軽くない56kg、内にジーエス(7番枠)が入ったことも微妙な材料と判断した。
バトルファイターは、南関東3冠馬トーシンブリザードの稀少な産駒。祖父デュラブだから“速さ”“勝負強さ”が身上と判断でき、現実にスプリント路線参入からは展開不問で崩れない。6〜8月、[3-2-1-0]の夏型でもある。
以下、JRA千二〜千四5勝、調教試験も軽快に動いたダイワエンパイア、同じくJRA短距離実績(小倉千=57秒5)があるローレルウェルシュも、すんなり流れに乗れれば大駆けが考えられる。
もう1頭、人気になるのかどうか読みづらいが、エイシンタイガーもJRA5勝、オープン実績。ただ同馬の場合、ダート自体初体験で、前走転入初戦(名古屋)を直前取り消し(感冒)という事実がある。いわゆる“権利”をとった形の出走だから経緯はあまりほめられない。
代わりに11歳ニシノコンサフォスに△をつけた。JRA9勝、転じた前2走名古屋1、2着からはスピード健在。2〜3番手で折り合うと、歴戦のしぶとさが発揮できる。