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習志野きらっとスプリント

  • 2011年07月20日(水) 18時00分
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 今年から始まったスーパースプリントシリーズのファイナルレース、第1回習志野きらっとスプリントSIII(船橋・1000m)。全国からスピード自慢たちが集結しますねぇ。

 09全日本2歳優駿を優勝して全国の2歳馬の頂点に立ち、その年のNARグランプリ最優秀2歳馬に輝いたラブミーチャン(笠松・柳江仁厩舎)。その後も順調に年を重ねて奮闘し続けています。

 東海地区のトライアルレースだった、前走の名古屋でら馬スプリントオープン(名古屋800m)は格の違いでレコード勝ちしたばかりです。『でら』は名古屋弁ですごいなどを意味するそうですが、「冠的に言ってもラブミーチャンにとってはもってこいのレースだったので、この馬らしいレースをして勝つことができたのでホッとしました」と柳江調教師も胸をなで下ろしていました。

全日本2歳優駿時のラブミーチャン全日本2歳優駿時のラブミーチャン

 今回は南関東勢も入ってメンバーがガラリと変わりますが、もともと全国を舞台に戦ってきた馬だけに、ここも何とか結果を出したいという思いを込めて厩舎サイドも送り出してきます。

 2走前のさきたま杯(6着)は出負けをしてしまって、本来のこの馬らしい走りが見られなかっただけに、巻き返しは必至でしょう。「出負けもあったし、パドックや返し馬で少し元気のない歩き方をしていたかなぁとも思います。前走はそういう面はなかったですけどね」(柳江調教師)

 素人目で馬のコンディションの良し悪しを見抜くのは非常に難しいですが、ラブミーチャンはトモの踏み込みがよりしっかりしている時の方がいいタイプのようなのでチェックしてみてくださいね。

「普通にゲートを出てくれればテンのスピードではいい勝負ができると思っています。ラブミーチャンの持ち味でもある逃げる競馬を見せてほしいです」(柳江調教師)

 九州地区のトライアル・九州むしゃんよかスプリント(荒尾850m)をレコード勝ちしたペプチドジャスパー(荒尾・平山良一厩舎)。現在は荒尾チャンピオンだそうですよ!!! 南関東で走っていたこともあるので、とてもうれしいお里帰りになりました。

「前走は出遅れ気味だったので、もう少し前で競馬をさせたかったんですが、馬込みに入っても平気だったのでそれは収穫でしたね。レコードは破られることはないだろうと言われていたので頑張ってくれました」と平山調教師。

 今回は輸送疲れを残さないように早めに荒尾を出発し、滋賀県で2泊。レース2日前の朝に到着して、レース前日には船橋競馬場でスクーリングをしたそうですよ。

「荒尾から全国に挑戦をすることは少ないので、これをきっかけに荒尾を知ってもらいたし、相手は強いですが精一杯頑張りたいです。スピードについていけるかどうかですね」(平山調教師)

 そして、中央5勝の実績で芝短距離の重賞レースをバリバリ戦ってきたエイシンタイガー(笠松・伊藤強一厩舎)が、笠松に転厩後緒戦を迎えます。実績だけを見れば、これからのダートグレードレースでも非常に楽しみだと思うんですが、何よりダートで走ることが始めてなので、それがこなせるかどうか? ということが最大のポイントになってくるでしょう。

「調教や追い切りではいい動きをしてくれているし、順調に調教は行ってきました。ただ1000mは忙しいと思うし、まずは緒戦なのでどんな走りを見せてくれるか」と伊藤調教師。

 迎え撃つ南関東勢についてお伝えしていきましょう。

 やはり、南関東の大将はジーエスライカー(大井・栗田裕光厩舎)になりますよねぇ。

「テンのスピードは日本一速いと思う」とコンビを組む坂井英光騎手が先日のファンを招いたイベントでも力強く宣言していましたが、ジーエスのダッシュ力は天下一品!!! だからこそ、この1000m戦は狙っていたレースです。

ジーエスライカー

 過去には能力の高さで京浜盃(大井1700m)を制していますが、本来は生粋のスプリンターで、今回と同じ条件の船橋記念は番手からの競馬で完勝したのは記憶に新しいでしょう。

「前走のさきたま杯(浦和1400m)は距離がキツいと思ったけど、それでも2着に頑張ってくれた。馬もしっかりしてきたし成長してくれているね。ここは格の違いを見せたいよ」(栗田調教師)

 南関東のトライアルだった川崎スパーキングスプリント(川崎900m)をレコード勝ちしたコアレスピューマ(船橋・川村昭男厩舎)。2走前の東京スプリントJpnIIIは中央からの強豪を相手に堂々と3着に入り、地方勢では最先着をして力のあるところを見せつけました。

 あまり暑さが得意な馬ではありませんが、今年は順調に過ごしているそうですよ。「回数も使っていないから、体も減ってこないし馬自体はすごく元気だよ。獣医さんに心音を聞いてもらったらうるさいくらい響きがいいって言ってた(笑)」と担当の伊藤厩務員。

 1000mは少々忙しい面もあることは厩舎サイドも公言していますが、今の勢いと地力の高さでどんな走りを見せてくれるでしょうか。

 そして最後になりますが、南関東史上初の無敗の四冠馬としても知られるトーシンブリザードの愛息バトルファイター(船橋・佐藤賢二厩舎)が重賞に初挑戦。トーシンブリザード産駒にとっても記念すべき重賞初出走なんです。

バトルファイター

 本来ならクラス的にも出走することは厳しかったんですが、前走の川崎スパーキングスプリントでは2着に入って優先出走権を得ての参戦となりました。

 絶好の2枠2番に入ったものの、逆に外からジーエスライカーやコアレスピューマ、ラブミーチャンが一気に襲いかかってくる怖い位置でもありますよねぇ。石崎駿騎手のお話しでは、過去には砂をかぶって競馬をしたこともあったそうです。が、「追って味のあるタイプでもないし、1000m戦だから逃げてガチンコ勝負だっ!」と佐藤賢二調教師は言っていましたよ。

「胸を借りるつもり」(佐藤調教師)と最後には謙遜もしていましたが、佐藤調教師も石崎騎手もこの馬にかける思いは強いです。バトルファイターはトーシンブリザード初年度産駒でこの年は2頭しかいません。重賞に出走することだって本当にすごいことなのに、それで優勝しちゃったら……ドラマです。

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南関東競馬を拠点に活動中。仙台生まれの山形育ち。NHK山形放送局キャスター後、競走馬のことを伝える仕事に就きたく上京。東京シティ競馬中継(MXTV)を経て、南関魂、TCKホームページ、競馬総合チャンネル地方競馬コース、楽天競馬、ウェブハロンなどで活動中。今の一番の喜びは、拠点にしている南関東所属馬が大舞台で頂点に立ったとき。

※当コラムは南関東重賞の前日更新となります。

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