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桜花賞馬マルセリーナの半弟グランデッツァ

  • 2011年07月27日(水) 12時00分
●アムールレジェンド(牝 栗東・藤原英昭 父ディープインパクト、母パーソナルレジェンド)
 母パーソナルレジェンドはターンバックジアラームH(米G3・ダ9f)、ステージドアベティH(米G3・ダ8.5f)の勝ち馬。繁殖牝馬としても成功しており、初子のミラクルレジェンド(父フジキセキ)はクイーン賞(GIII)を勝ち、2番子のローマンレジェンド(父スペシャルウィーク)は芝2連敗のあと初ダートの未勝利戦を6馬身差で逃げ切った。本馬の父ディープインパクトは芝向きの種牡馬だが、母方のパワーはかなり強烈なので、ボレアスのようなダート中距離馬になる可能性が高い。

●アーカイブ(牡 美浦・堀宣行 父ディープインパクト、母データ)
 母データは南米アルゼンチン産で、同国のG1で2着2回という好成績。母の父Royはチリでリーディングサイアー9回、アルゼンチンで2回の大種牡馬で、Fappianoを経てMr.Prospectorにさかのぼる系統。Fappianoとディープインパクトは相性がよく、この組み合わせを持つ初年度産駒の5頭はすべて勝ち上がり、ダノンバラードが重賞を勝ったほか、サイレントソニック、アルティシムス、ダコールなどの有望馬が出ている。均整のとれた500キロ近い馬体は大きな可能性を感じさせる。

●グランデッツァ(牡 栗東・平田修 父アグネスタキオン、母マルバイユ)
 半姉マルセリーナ(父ディープインパクト)は桜花賞馬。母マルバイユは現役時代にアスタルテ賞(仏G1)など3つの重賞を制覇した名牝で、繁殖牝馬としても高い能力を発揮している。本馬はAlcide≒Electric Flash 5×5を持っている。底力を補強する代わりに鈍重さも伝えかねないクロスだが、母方全体がスピード色豊かなので心配はいらないだろう。ヨーロッパ血脈のスピードが主体となっているので、そうした血と相性のいい父アグネスタキオンとフィットするはず。芝向きの中距離タイプ。

●トーコーレガーロ(牡 栗東・橋田満 父アドマイヤムーン、母スーヴェニアギフト)
 母スーヴェニアギフトはランダルースS(米G3・ダ6f)を勝ち、デルマーデビュターントS(米G1・ダ7f)で2着となった活躍馬。初子のカドデュソレイユ、2番子のシュプリームギフトはともに1勝馬だが、成績以上に資質の高さを感じさせる。本馬の父はアドマイヤムーン。Mr.Prospector 4×3、Tom Rolfe 5×5などがあるので、芝・ダート兼用のマイラーだろう。切れる脚はないが先行して強そうなタイプ。

●ハンズアップ(牡 栗東・池江泰寿 父アグネスタキオン、母アランセラ)
 半兄サブジェクト(父フジキセキ)はラジオNIKKEI杯2歳S(GIII)の勝ち馬。もう1頭の半兄カヴァリエ(父サクラバクシンオー)は新潟2歳S(GIII)5着馬。母アランセラはDixieland Bandを父に持つ外国産馬で、現役時代に6戦4勝と素質を見せた。アグネスタキオン産駒の配合としてはまずまず無難なところで、芝の中距離で力を発揮しそうなタイプ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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