最大のポイントは、差して持ち味を発揮したいタイプが多く、流れがあまり速くなりそうもない点だろう。昨年、ゼンノエルシドが抜け出した形と同じで、1000m通過58秒前半のスローに近い形になるとみたい。
となると、まず有力は人気のアドマイヤコジーン。自在のスピード型で、春のG1安田記念では46.3−47.1秒のバランスのとれたラップで、1分33秒4で乗り切っている。再度、好位マークの形なら、同じようなレースができそうだ。
もう1頭、もっと魅力は本来が先行型のブレイクタイム(父デインヒル)。なぜか1600mに出走することが少なかった不思議な馬だが、昨年、ブラックホークの勝った安田記念を2着している。当時、1000m通過57秒1のきびしいHペースを2〜3番手で追走。自身46.2−47.0秒(推定)のきわめてバランスのとれた前後半で、1分33秒2(58キロ)を記録している。
そして馬体のパンとした今年、脚を余しながら新潟1400mを1分19秒0。日本レコードタイ記録だった。
圧巻は京王杯AH。新潟の長い直線を考えて好位の外でなだめて進み、上り34秒0。差したのではなく、パワフルに抜け出し、時計は1分31秒9だった。ゴール前の1ハロン11秒7だからまだ楽々で、ミデオンビットを4馬身もちぎっている。そのミデオンビットは同じようにすんなり先行の前走の富士S。メイショウラムセス、グラスワールドなどと大接戦だった。
デインヒル産駒がベストとするマイル。まともに走ったときのブレイクタイムは、文句なくG1級のマイラーと考えていいだろう。松永騎手、そうは弱気にタメたりしない。かなり積極的に行ってくれるはずだ。
相手妙味は、富士Sではゴール寸前、前が詰まって止めてしまったトウカイポイントだろう。大穴は本来はマイラーの9番テンザンセイザだ。