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サンタアニタトロフィー

  • 2011年08月02日(火) 12時00分
サンタアニタトロフィー(8月3日 大井 サラ3歳以上 別定 南関東SIII 1800m)

「サンタアニタトロフィー」は昭和55年、「関東盃」の名称で創設。大井夏の名物レースとして長い歴史を重ねてきた。当初からSIII格ではなかったが(賞金額など)、当時重賞数自体が少なかったこともあり、優勝馬には、テツノカチドキ、ガルダン、ジョージモナーク、アブクマポーロ、今でいう統一G級の名前が浮かぶ。そして今年、ややドラスティックともいえる距離変更、条件変更。内コース1600→外コース1800m、外国馬招待……、レースの性格、趣きが一新された。

 ただ、記者感覚としてはこれで正解という気がする。近年南関東、類似したマイル重賞が多すぎること(メンバー重複)。地方競馬も、そろそろ真の国際化をめざすべき時期にきていること。実際、今回登場するレッドアラートデイ。力関係、ダート適性、あらゆる面で“微妙”と思えるところが、とりわけギャンブル上、馬券上、大きな興味を作っている。新生第1回、はたしてどんな結果が出るか。以下データは、ひとまず過去10年、「南関東同士・1600m」の数字をまとめた。

(1)…波乱含み。1番人気[3-4-0-3]、2番人気[3-2-2-3]、3番人気[2-0-1-7]。数字上は合格点か。ただ1→2人気のワンツーは1度だけ。伏兵がおおむねからむ。
 
(2)…大井VS船橋。大井=7勝、2着3、船橋=3勝、2着6。一昨年を除き(浦和・クレイアートビュン)、2場所で独占している。最も多いパターンは大井→船橋ワンツー(5度)。
 
(3)…4〜5歳。4歳=4勝、2着3は無条件で注目できる。次いで5歳=3勝、2着2。6歳も2勝、2着2だから合格点で、7歳以上はアベレージが低くなる。迷ったら若い馬。
 
(4)…好調馬。連対した20頭中、13頭までが前走3着以内の成績を収めている。当てはまらなかった7頭は、いずれも格上。内5頭は「帝王賞」着外からの巻き返しだった。
 
(5)…差し馬。逃げ=1、先行=6、差し=12、追込み=1。好位〜中団からの差しが主流。逃げ馬は鬼門といえ、過去10年=3、6、3、7、4、2、8、11、5、10着。これだけ苦戦するのも珍しい。

※データ推奨馬
◎カキツバタロイヤル…昨年、ボンネビルレコードを破って優勝。船橋所属5歳馬で、前走「京成盃GM」2着だから、自身のリズム、状態も昨年以上といえるだろう。流れに応じて動く自在型。千八はこれまで2戦、1、3着。

       ☆       ☆

◎レッドアラートデイ 56トルヒーヨ
○キングバンブー   56吉原
▲ボンネビルレコード 58的場文
△カキツバタロイヤル 58石崎駿
△マズルブラスト   58戸崎
△マグニフィカ    58御神本
△ボランタス     58山崎誠
 フサイチピージェイ 57左海
 ハーミア      54今野
 ライジングウェーブ 58澤田

 レッドアラートデイの人気は正直読めない。単勝5〜6倍、キングバンブー、マズルブラストとの馬複で10〜15倍というあたりだろうか。いずれにせよこの配当(記者予想)がつくのなら、今回馬券上、妙味十分と判断した。

 初ダート(英オールウェザー3戦・2、4、7着)を含め、評価に迷う外国馬。しかし英米6勝、現実にGIで4着が2度(ミドルパークS・チャーリーウエッティングH)あるから能力はもちろん高く、加えて他にも注目すべき好材料をいくつか持つ。

 父ディクタットは00年安田記念2着、半兄コーラスマスターは南関東5勝(ニューイヤーCなど)、日本競馬と縁が深そうなこと。管理調教師ダグ・オニール師は、03年JCダートをフリートストリートダンサーで優勝していること。戦績をみる限り、レッドアラートデイ自身もパワー優先の先行型で、そう考えると今回大井ダート、むしろプラスのイメージも浮かんでくる。距離千八は2戦して1、3着。鞍上・Eトルヒーヨ騎手は、米東海岸で活躍する気鋭の若手(27歳)だ。

 もっともこのレース、仮にレッド不在、南関東同士としても一長一短、きわめて予想が難しい。現在の戦力、勢いを素直に買えばキングバンブー(転入後3連勝)だが、2月「報知グランプリC」以来半年近い休み明け。主戦・御神本Jがマグニフィカ…という鞍上配置も、おそらく急仕上げのためだろう(直前まで出否を迷った?)。それなら古豪ボンネビルレコード、レース巧者カキツバタロイヤルも互角の評価。とりわけボンネビルは、前走「帝王賞」4着、二千=2分03秒9。9歳馬ながらまだ統一G級の格と貫禄を残している。マグニフィカは、鞍上・新コンビで一変があるかどうか。ただ逃げ馬不振のデータはやはり気になり、同型フサイチピージェイが内枠(1番)を引き、展開自体楽でもない。マズルブラストは「大井記念」快勝後。案外こういうケースでポカがあり、人気(戸崎J)ほど信頼できない。ボランタスは1月「川崎記念」3着から6か月のブランク。本来叩かれつつのタイプで初戦は一枚割り引きか。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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