●カレイドスコープ(牝 栗東・中竹和也 父ディープインパクト、母アジアンミーティア)
全兄に東京スポーツ杯2歳S(GIII)5着のダコール、半姉にファルコンS(GIII)3着のルシュクル(父サクラバクシンオー)がいる。母アジアンミーティアはUnbridled's Song(95年BCジュヴェナイル-米G1、96年フロリダダービー-米G1)の全妹にあたる良血で、仕上がり早のスピードを伝えている。サンデー系と相性のいいHeliopolisが入るのは強調できる。父ディープインパクトとFappianoは相性が良く、重賞を勝ったダノンバラードを筆頭に、アルティシムス、サイレントソニックなどが出ている。全兄ダコールを超える活躍を期待したい。
●トーセンワンダー(牝 美浦・成島英春 父マンハッタンカフェ、母トーセンシンガー)
兄姉にこれといった活躍馬はいないが、配合構成は良好。「マンハッタンカフェ×スキャン」はレッドアゲート(08年フローラS-GII)と同じ。父マンハッタンカフェはCaerleonとニックスの関係にあるため、Caerleonの全妹を母に持つスキャンとも相性がいい。父マンハッタンカフェはRibot系と相性がよく、そこから底力を取り込み、走る子を出す傾向があるので、2代母の父にRibot系のRun the Gantletが入るのは好ましい。芝・ダート兼用の中距離タイプ。
●モンテエクリプス(牡 栗東・松田国英 父ディープインパクト、母ケイウーマン)
母ケイウーマンは京都4歳特別(GIII)を勝ったほか、重賞で上位入線を繰り返した。繁殖成績もまずまずで、モンテクリスエス(09年ダイヤモンドS-GIII)、マチカネキララ(06年札幌記念-GII・3着、06年エプソムC-GIII・3着)、トニーディアマンテ(準OP)などを出している。本馬の全姉レッドディアーナは育成時代から高い評価を得てきたが、肺の感染症のためデビュー前に死亡した。父ディープインパクトはラストタイクーンと相性がよく、この血を併せ持つ馬にはマルセリーナ、ターゲットマシンなどがいる。本馬はこのパターン。このほかPocahontas≒River Lady 5×3を持つなど全体の配合構成も優れている。朝日杯〜皐月賞路線で期待したい。
●ラクリモーサ(牝 美浦・田島俊明 父ウォーエンブレム、母マニフィカート)
半姉にシースナイプ(父グラスワンダー/11戦4勝)、同じく半姉にフレンチボウ(父ホワイトマズル/4戦2勝)がいる。母マニフィカートは現役時代4戦未勝利に終わったが、繁殖牝馬としてはまずまず優秀で、これから大物を出しそうな雰囲気がある。「ウォーエンブレム×サンデーサイレンス」という組み合わせはキングスエンブレム(10年シリウスS-GIII)と同じ。芝・ダート兼用でコンスタントに走る。若干重く映る血統ながら芝向きの産駒を出せるところが母マニフィカートの良いところ。本馬も芝の中距離で本領を発揮するだろう。
●レッドエクスプレス(牡 栗東・角居勝彦 父ディープインパクト、母アドヴァーシティ)
アメリカの名門フィップス家が育てた名牝系に属し、2代母Disputeはケンタッキーオークス(米G1)、ベルデイムS(米G1)など米G1を4勝した。母アドヴァーシティはBroadway 3×4という名牝のクロスを持っている。Broadway の2代父はRoman。父ディープインパクトはAdmiral Drake≒Romanという相似な血のクロスを持っているので、それを継続するBroadwayのクロスは好感が持てるのだが、Hasty Roadという硬い血を経由している点がどう出るか。全姉ブランシェールは仕上がりが遅れ、オークス週にようやくデビューに漕ぎ着けて9着(現在1戦0勝)。父ディープインパクトはダート色の強い繁殖牝馬を料理するのが得意なので、うまく行けば芝向きの中距離タイプとなるかもしれない。2代母の父Danzigはディープインパクトと相性良好。このあたりにも期待をかけたい。