●カナロア(牡 栗東・藤原英昭 父ディープインパクト、母クイーンカアフマヌ)
母クイーンカアフマヌは「King's Best×Sadler's Wells」という組み合わせで、これはWorkforce(10年凱旋門賞-仏G1、10年英ダービー-英G1)と同じ。現役生活は1戦0勝と見るべきものはなかったが、スタミナや底力を秘めた血統で、母の父King's Bestは本馬と同じ藤原英昭厩舎に所属する日本ダービー馬エイシンフラッシュの父でもある。ディープインパクトとの組み合わせではクラシックディスタンス向きの大物となる可能性を秘めている。2000m以上の芝で本領を発揮するだろう。
●コスモキャリー(牝 美浦・大竹正博 父ケイムホーム、母キャリードリーム)
父ケイムホームは今年の新種牡馬。現役時代にアメリカで3つのG1を含めて12戦9勝の成績を残した。アメリカで種牡馬をしていた時代の産駒にケイアイライジン(09年京成杯オータムH-GIII・4着、09年弥生賞-GII・5着)、アグネスカルミア(準OP)などがいる。日本における初年度産駒は現時点で3勝とまずまずの成績。本馬は能力の底上げに大きな効果があるサンデーサイレンスが母の父で、Full Out≒Mill Reef 4×5、Icecapade≒Northern Dancer 4×4などを持つ。近親にこれといった活躍馬はいないが、配合構成は良好なので楽しみがある。
●シーウェーヴ(牡 栗東・野中賢二 父アグネスタキオン、母アロングザシー)
母アロングザシーは現役時代にアメリカで走り、フリゼットS(G1)2着、メイトロンS(G1)3着などの成績を残した。本馬が初めての子となる。母の父AneesはブリーダーズCジュヴェナイル(米G1)を勝って米2歳牡馬チャンピオンに選ばれたが、わずか3世代を残して早世した。母方は仕上がり早のスピードタイプで、アグネスタキオンとの交配ではHalo≒Sir Ivor 3×5が生じるのでので悪くない。芝・ダート兼用のマイラーだろう。
●ダークアイリス(牝 栗東・牧浦充徳 父ゴールドアリュール、母ダークエンディング)
母ダークエンディングはカナダでシリーンS(G1)を勝った。File≒Fire Water 3×3という力強い組み合わせのクロスを持つため、パワーに秀でており、繁殖牝馬としてもそうした特徴を伝えている。本馬の半兄ラヴィアンクレール(父マンハッタンカフェ)はヒヤシンスS(OP)を勝った。本馬の父ゴールドアリュールはサンデー系のなかで最もダート向きに特化した種牡馬で、スマートファルコン、エスポワールシチー、オーロマイスターと3頭のダートGI馬を出している。父母ともにダート適性が高い本馬は、ほぼ確実にダート向きだろう。距離は1400〜1800mあたりが良さそう。
●レッドメデューサ(牝 栗東・石坂正 父Mr.Greeley、母Catchascatchcan)
父Mr.GreeleyはMr.Prospector系で、現役時代はアメリカでG3を3勝。BCスプリント(米G1)では2着と健闘している。仕上がりの早いマイラー型の種牡馬として成功しており、日本ではこれといった大物は出ていないが、2歳戦で安定して好成績を残している。本馬の母Catchascatchcanはヨークシャーオークス(英G1)、ランカシャーオークス(英G3)など4戦全勝の成績を残した名牝。繁殖牝馬としても成功し、本馬の半兄Antonius Pius(父Danzig)はレイルウェイS(英G2)を勝ち、ブリーダーズCマイル(米G1)でも2着と健闘した。その半妹にあたる本馬は、父方のスピードと母方のスタミナがうまく和合すれば大物に育つ可能性も十分。芝・ダート兼用のマイラーだろう。