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大物感あるダート配合、ウインナイトホーク

  • 2011年08月24日(水) 12時00分
●ウインナイトホーク(牡 栗東・山内研二 父ワイルドラッシュ、母ヒルトップレディ)
「ワイルドラッシュ×トニービン」はトランセンド(11年フェブラリーS-GI、10年ジャパンCダート-GI)、クリールパッション(10年エルムS-GIII)を出したニックスで、この2頭はいずれも母系の奥にHyperionとBeau Pereの組み合わせで誕生した血を持っている(前者はアイアンエイジ、後者はFlower Bowl)。本馬に入るSwapsはこれらと同じ血統構成で、アイアンエイジの全兄にあたる。2代母ハイエストムーンはブラックスキー(85年福島記念-GIII、86年新潟記念-GIII)の全妹にあたり、底力も感じられる。中距離向きのダート配合として高く評価できる。

●エバールージュ(牝 美浦・勢司和浩 父ハーツクライ、母エリザベスローズ)
 フサイチゼノン(00年弥生賞-GII)、アグネスゴールド(01年スプリングS-GII、01年きさらぎ賞-GIII)、リミットレスビッド(06、07年東京盃-GIIなどダート重賞8勝)などの半妹にあたる。兄はいずれもサンデーの子で、本馬はハーツクライ産駒なので、正確には4分の3妹ということになる。母方にCaroを持つハーツクライ産駒にはリフトザウイングス(10年東京スポーツ杯2歳S-GIII・2着)がいる。素軽さが感じられる好配合馬で、兄同様の活躍を期待したい。

●スナークタキオン(牡 栗東・川村禎彦 父アグネスタキオン、母スナークスズラン)
 母スナークスズランは阪神牝馬S(GII)で3着となったスピード馬。その父ダンシングブレーヴはサンデーサイレンスと相性がよく、とくにアグネスタキオンとの間には、リトルアマポーラ、リディル、ステージプレゼンス、エミーズスマイルなど多くの活躍馬が誕生している。芝中距離がベストで、いかにも切れそうなタイプ。母の優れた資質が伝わっていれば重賞でも楽しめそうだ。

●タガノジョイナー(牝 栗東・松田博資 父キングカメハメハ、母タガノチャーリーズ)
 母タガノチャーリーズはフェアリーS(GIII)3着馬だが、本質的にはダート向きで、不良馬場のアクアラインS(準OP・中山ダ1200m)を勝った際は、1分09秒7という怪時計で後続を寄せ付けず圧勝した。繁殖牝馬としても成功しており、本馬の全兄タガノジンガロはアンタレスS(G3)4着、マーチS(G3)5着という成績。半兄にはタガノロックオン(11年ジャパンダートダービー-GI・3着)、タガノクリスエス(OP)がいる。兄同様の活躍を期待したい。

●ダノンオリエント(牡 栗東・橋口弘次郎 父ハーツクライ、母ヴァンドノワール)
 半姉にブラックエンブレム(08年秋華賞-GI、08年フラワーC-GIII)とピースエンブレム(準OP)がいる良血。父がウォーエンブレムからハーツクライに替わったが、母ヴァンドノワールはHaloとニックスの関係にあるSir Ivorを持っているので、サンデー系との相性は悪くないと思われる。スピードがあり、なおかつ底力も感じられる配合なので、うまくいけば芝中距離の重賞戦線で活躍が期待できそうだ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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