スマートフォン版へ

アフター5スター賞

  • 2011年08月29日(月) 18時00分
  • 0
 地方競馬の短距離王フジノウェーブが左前ざ石で競走除外。この夏はアフター5スター賞を目標のひとつに定めていたので、久しぶりに夏休みの放牧には出ないで厩舎調整をしてきました。夏負けもせずにここに向けて順調に調整をしてきただけに残念ですが、また次の目標に向けて頑張って欲しいと思います。

 今回は新興勢力あり、中央からの転厩馬ありと、力関係を図るのが非常に難しそうな一戦です。

 その中でも、11年東京スプリント3着のコアレスピューマ(船橋・川村厩舎)の実績は光ります。同斤量(56キロ)だったにもかかわらず、中央馬たちと対等に走って見せ場たっぷりの内容は、能力の高さを見せつけたと言ってもいいでしょう。

コアレスピューマ
コアレスピューマ

 キレイな青鹿毛の体をした馬だけに昨年は暑さがかなり堪えてしまったそうですが、今年はローテーションをゆったり組んで無理をしていない分、「(今年は)暑さも気にしていないし、体調面は維持できています」(本橋孝太騎手)と言っていて、東京スプリントと同じ条件のここはチャンスを迎えたと言ってもいいでしょう。55キロで戦えるのもかなり有利です。

「これまで重賞を勝たせてもらったコアレスタイムやコアレスデジタルと比べてもヒケを取らない力は持っているよ。レースに行くと常に一生懸命走る所はコアレスタイムに似ている。心臓はかなり強い馬だよ」と担当の伊藤厩務員。

 そして、南関東の短距離界のエースとして期待をされてきたブリーズフレイバー(大井・月岡厩舎)がここにきて2戦とも圧巻の勝ちっぷり!!! 勝ち時計も1分10秒後半と11秒前半で、ペースや馬場差は考慮しなくてはなりませんが南関東同士なら十分に勝ち時計と言ってもいいでしょう。

ブリーズフレイバー
ブリーズフレイバー

「前はカーッと行って終わってしまう感じだったけど、今は集中して我慢が効くようになってレースが変わってきたね」(月岡調教師)

 精神面の成長が非常に大きいそうですよ。

「重賞を勝つことは簡単なことじゃないしそれだけに重いものですが、気性で難しい面はあるけど力さえ出せれば自然と結果はついてきてくれるだろうしチャンスはあると思います」とコンビを組む戸崎騎手。こちらも55キロで戦えるのは魅力的です。

 準重賞シーサイドカップを優勝して、ここに駒を進めてきたホワイトランナー(大井・鷹見厩舎)。「乗り役に従順だしいつも一生懸命に走ってくれる仔です。どんどん変わってくれているし、やっていても楽しいですよ。重賞を勝つ力は持っている仔です」と過去にサンデーバニヤンやヒロアンジェロで重賞馬を手掛けている柴田厩務員。北海道、中央、兵庫と渡り歩いて、南関東に転厩した当初はC1からのスタート。そこからコツコツと階段を上がってきて、いよいよ重賞初挑戦です。

ホワイトランナー
ホワイトランナー

「差し馬なのに持ち時計もいいし、最後は必ず伸びてきますからね。やっと重賞馬たちと同じ土俵で戦えるしどんな走りをしてくれるのか楽しみです」(鷹見調教師) 

 10年JDDの勝ち馬マグニフィカ(船橋・川島正厩舎)が2歳時以来のスプリント戦に挑みます。能力の高さは一級品もここ最近は自分で走ることをやめてしまう感じで、まったく力を出し切っていません。

 ということで、このスプリント戦で刺激を与えるというのも今のマグニフィカにはいいかもしれませんねぇ。もちろん2歳時のことですが、この条件は2戦2勝と負けなしです。「状態は変わらずにいいからね。道中楽をさせるよりも追いっぱなしの方が気は抜けないだろうから」とサプライズパワーやマズルブラストなどでもお馴染みの多田厩務員。

 ここからは転厩馬の厩舎サイドのコメントだけお伝えしていきましょう。

アポロドルチェ(大井・高橋三厩舎)
「調教を見てもオープンの動きはしているけど、もうちょっとピリッとして欲しいね。力はある馬だけど、今回は転厩緒戦だし地力の高さでどこまで頑張ってくれるか」(高橋調教師)

ジェイケイボストン(小林・太田厩舎)
「ダート向きのいいフットワークはしているしオープンだなぁと感じるけど、まだうちに来て1ヶ月くらいだしこれから良くなっていきそうだから、まずはどんな走りをしてくれるかな」(太田調教師)

モアザンスマート(川崎・内田厩舎)
「ここまで順調にやってきたよ。実績を考えたらここに入ってもヒケは取らないと思うし未知の面が大きいから楽しみ」(内田調教師)

タカオセンチュリー(大井・松浦裕厩舎)
「距離はあった方がいいのかなと思っていたけど、本追い切りを見たらスピードもあって短距離も向きそう。緒戦だけど雰囲気は悪くないし、馬は若いよ」(松浦調教師)

ダイワシークレット(大井・立花伸厩舎)
「脚元に不安もないから自分の思った通りに調教も積めるから楽しみ。大井の馬場との相性はやってみないとわからないけど、テンには行けなくてもスピードに乗ったら速いから、3コーナーでスーッと前に上がっていけるようならチャンスはあると思う」(立花調教師)

ダイワシークレット
ダイワシークレット

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

南関東競馬を拠点に活動中。仙台生まれの山形育ち。NHK山形放送局キャスター後、競走馬のことを伝える仕事に就きたく上京。東京シティ競馬中継(MXTV)を経て、南関魂、TCKホームページ、競馬総合チャンネル地方競馬コース、楽天競馬、ウェブハロンなどで活動中。今の一番の喜びは、拠点にしている南関東所属馬が大舞台で頂点に立ったとき。

※当コラムは南関東重賞の前日更新となります。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング