【栗東トラックマン情報】
◆日曜新潟11R・新潟記念
・ナリタクリスタル
前走は中京記念で制した小倉芝2000mの舞台だったが、少し流れに乗り損ねたような感じで6着。実績はメンバー最上位でも気性的な問題が大きいというのが陣営の懸念するところ。
ただ調教的に見ると、これまでとは少し違う調整に思える。例えば、昨年の新潟記念1着時には2週連続でCW5F65秒台の速い追い切りを消化していたが、今回は1週前追い切りこそ5F65秒を切ってきたが、最終追い切りは「今日は追い切りをやらないのかな」と思うくらいゆったりしたペースで入り、5F72.5秒。かといってラスト1Fは12.4秒とそれほど伸びたわけでもなく、ごく平凡。この追い切りから昨年のような状態を期待するのは少々酷かも知れない。
・ヤマニンキングリー
普段から追い切りの動きは目立つ馬で、併せ馬で遅れる時はよほど状態が思わしくないと判断できる馬。それだけに動きの良さで飛びついてはいけないタイプだと分かっているが、それでも先週と今週の動きを見ると気になって仕方ない。
今週はCWで攻め駆けするジニオマッジョーレに先行する形での追い切り。追走してくる相手が直線で差を詰める際に、乗り手がステッキを抜くとその仕草に反応して鋭い伸び。1F11.8秒は数字以上に機敏な動きに見えた。大きく先着したのは1秒近く先行していたアドバンテージがあったからであり、決して課題評価してはいけないが、これで走られても不思議はない、そんな状態に仕上がった。
・ホワイトピルグリム
今年に入ってからも重賞で掲示板を賑わせることが多く、まだまだ元気なところを見せているが、実際に連対したのは2010年寿S1着まで遡らないとない。
その時と近走の調教内容の違いは最終追い切りの馬場。勝った時はCWで6F80秒を切るような速い追い切りをこなしていたが、最近は坂路で追われて4F54秒前後というのが定番。今回も坂路4F53.4〜1F12.9秒と大きく変わった追い切り内容とは言えないだけに、流れ次第での上位争いはありそうだが、信頼できるほどの調教ではない。
・サンライズベガ
一昨年2着、昨年3着と新潟記念には絶好の相性だが、近走成績は冴えない。ただ「ここ2走はハイペースの流れを先行して崩れているので仕方ない」と音無調教師はその内容を悲観はしていない。
ただ3走前は追い切りでの動きも重苦しく、いかにも状態が良くないと思えたが、それが徐々に解消。今週の最終追い切りでは相手が未勝利馬とはいえ、最後まで抜かせない走りで先着。時計は推定で4F51.8秒(実測はエラー)と時計自体は速く、これで走れなければ年齢的な衰えを指摘したくなる。
◆日曜小倉11R・阿蘇S
・インバルコ
前走の敗因を新潟ダート1800mという舞台設定に求めた陣営だが、調教内容の流れを見ると、それ以外にも要因があるように思える。
休養明け2着の2走前は坂路で単走だったが、4F53.0〜1F12.6秒とラストまでしっかりした動きを見せていたが、前走は坂路でエアラフォンに先行していたものの、あっさりと交わされて4F54.0〜1F13.0秒。ラストの粘り不足は明らかだったので、そのあたりが実戦で影響したとも考えられる。今回の追い切りではそのあたりに注目してみたが、前走同様に併せ馬で先行するも最後は楽に交わされて4F53.5〜1F12.9秒。動きとしては前走とほとんど変わっていないだけに、舞台が替わっても着順の一変はどうだろうか。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜新潟11R・新潟記念
・タッチミーノット
七夕賞2着後一旦放牧に出たが、8月4日美浦に戻り、それ以降は入念な乗り込みを消化。18日の1週前追いでは終い重視の内容といえ、1F矢のような伸び脚で11.6秒。そして、24日の最終追い切りも5F68.0〜3F38.1秒から、1F再び弾けて11.5秒。2週連続で絶好の動きを見せつけており、中8週レース間隔があいた前走時よりむしろ状態面で上回っていることは確か。
問題は展開面だけ。逃げ馬不在でヨーイドンの競馬となりそうだが、4走前の上がり33.0秒の決定力を見る限り、むしろ直線勝負の流れは向くはず。2000mはベスト条件、ハンデ56kgも克服して一気の差し切りに期待。
・エオリアンハープ
2か月半の放牧明けで臨んだ前走の天の川S。久々の距離2000mだったが、後方でピッタリ折り合いをつけ、直線早めに追い出してラスト1Fで先頭に立って、そこから後続を突き放して3.1/2馬身差の圧勝。
今回は中1週でのレースになるが、追い切りは500万のハイレイヤーを5Fから3馬身ほど追走して67.5〜上がり38.0秒を抜群の手ごたえでマーク。牝馬が中1週でこれだけ追えるのは夏馬らしい充実の証。今の勢いなら重賞でもの期待。
・トウショウウェイヴ
1週前は格下のイッツスパーブにアオられて今イチの動きだったが、ビッシリ追われたことで、今週はガラリ一変。稽古駆けで定評のあるサンカルロに一歩も引けをとらない素軽さで35秒台の好時計をマーク。ここ数戦とは明らかに違う動きを見せた。
コース実績はないが、平坦の長い直線は同馬にピッタリと思える条件。穴を出せば今回あたりだ。
・プティプランセス
ここは強気の格上挑戦となるが、前走が着差以上の快勝だったように、心身ともに充実急。この上がり馬の勢いに加えて、50kgという軽ハンデでの出走となれば、穴馬としての資格は十分にあるはずだ。典型的な直線勝負型で、展開に左右される面があることは否めないが、ツボにはまった時の切れ味はかなりのもの。
直前はオープン馬エアマックールとの併せ馬を意欲的にこなして(69.4〜53.9〜39.3秒=馬なり同入)、体調も万全に近い。
◆土曜新潟11R・朱鷺S
・ライステラス
かなり牧場で乗り込んできたらしく、いきなり時計を出した先週がスピード感満点の走り。今週もスッキリした馬体で素軽い動き。気合のりも上々で、いきなり力を出せるデキと思える。
昨秋の京王杯2歳Sでは、直線で不利を受けながら、グランプリボス、リアルインパクトと差のない競馬。1400mではGI級の能力を見せているし、この世代の牝馬では間違いなく一級品。オープン特別なら能力断然。
◆日曜新潟10R・月岡温泉特別
・ヒシカツジェームス
降級戦を一発で決めた後、ひと息入れてリフレッシュ。8月から調教を再開して、今週はポリトラックで65.5-37.0秒。軽く仕掛けると首を下げて一気にペースアップ、鋭い反応と切れのある脚さばきが目立ち、不安のない状態が整っている。
1800m以上を中心に使われていたが、前走の爆発力を見ると、ある程度ペースが上がるマイルのほうが合っている。新潟外回りコースは大歓迎、連勝で一気に突破する。
◆日曜新潟9R・両津湾特別
・リープオブフェイス
前走は勝った後でひと息入ったうえに、芝の高速レース。そして、スタート後手で全く競馬にならず13着と大敗も納得。今回、中2週のレース間隔となるが、21日の日曜日が坂路で好内容。24日の最終追いはウッドコースで相手なりながら、5F70.1〜3F39.2秒の時計を珍しく馬なりでマーク。前回の1Fアップアップ状態から、今回はスピード感十分の走りと、本来の動きを取り戻していることは確か。
3角からロングスパートを得意とする同馬だが、有力勢の大半が逃げ戦法を取り激しい流れは大歓迎。前半折り合いに専念し、残り800mからエンジン全開となれば十分に届くはず。上がり3F36秒台の切れ味で直一気に期待。
◆土曜新潟10R・三面川特別
・リヴァーレ
東京戦からひと息入れたが、この中間はアニメイトバイオと併せ馬をやったり、意欲的な調整を消化。直前はウッドチップで68.7-39.4秒、同格のカンマビードを3馬身追走から外に併せ、馬なりのまま楽々ゴールイン。体全体を大きく使った走りは迫力満点、リフレッシュとともに、成長を感じさせる動きだった。
先行から追い込みまで、どこからでも競馬が出来る自在性のある馬。夏初戦と消耗度が少ないことも大きな強調材料、勝ってここから秋に弾みをつける。
・サクセスシルエット
前走のカーネーションC。5戦目でようやく未勝利を勝ち上がっての昇級戦だったが、3番手でスムーズに折り合いをつけ、ゴール前ステッキを入れると鋭く反応して快勝。一気に素質開花を感じさせた。
今回は3か月ぶりの出走になるが、急ピッチで調教を消化し直前の追い切りで500万のフィンデルムンドを5Fから1.2秒追走。それでもゴール前は抑え切れない手ごたえで圧倒し68.8秒〜上がり36.9秒を計示。1000万でも能力は楽に通用。
◆土曜新潟9R・古町特別
・マイネルドルチェ
ここは中1週のローテーションになるが、夏場にかけてグングン体調を上げる牝馬で、今がピークといえるデキ。水曜の追い切りは単走で87.8〜71.9〜56.2〜41.2秒と少しセーブしたが、ピタリと折り合いがついて軽快そのもの。再度万全の状態で出走できる。
強敵相手の前走も、前半から好位で流れに乗って、しぶとく粘ったように、新潟のマイル戦はベストの条件。もうこのクラス卒業は時間の問題としてよく、牡馬相手でも十分に勝負になるはずだ。