クラウンカップの覇者・牝馬のナターレ以外はみんな重賞初勝利がかかっている今年のメンバー。展開ひとつでどの馬にもチャンスがあるような大混戦となりそうです。ということで、全頭の話題をダイジェストにお届けしましょう!
羽田盃3着、東京ダービー2着と実績的に上位なのは酒井忍騎手が手綱を取るヴェガス(川崎・八木仁厩舎)です。ジャパンダートダービー(6着)後は厩舎で調整をしてきて、「東京ダービーくらいの状態では出せそうだね」とヴェガスを手掛ける酒井騎手のお父さん正男厩務員。
ヴェガス ひと夏越して特に大きな変わり身はないようですが、砂をかぶるとまったく進まないで終い一辺倒の極端な競馬だった時期がありましたが、今では競馬が上手に運べるようになったのは何よりの成長とも言えるでしょう。
「大井での走りができればここもチャンス。この仔には何とか1つ取らせてあげたいよ」(八木調教師)
ゴールドスガ(川崎・秋山厩舎)も重賞での好走が光ります。前までは体質が弱くて普段の調教ではセーブ気味に行う面がありましたが、今ではしっかり攻められるようになってきたそうです。「その分の上積みはあるし、力差はないと思う」と秋山調教師。左回りの方がより走りやすそうな印象です。
ゴールドスガ 潜在能力は一級品もなかなか力を出し切れていないファジュル(船橋・川島正厩舎)。前走の黒潮盃(8着)は道中に接触があってそのままハミを抜いて物見をしていたそうでまったく走れていません。自分の走りさえできれば……。
エースキッド(大井・久保厩舎)は右前の骨片除去手術後一戦を消化したばかりです。「1度使ってそう大きくは変わっていない。ただ、1200mからしっかり追い切りをかけたし、このひと追いで変わってくれればいいね」(久保調教師)
エースフォンテン(船橋・波多野厩舎)は過去に2度重賞へ挑戦していますが、東京湾カップ(10着)はテンションがあまりにも上がってしまい、東京ダービー(16着)は右回りが得意じゃなかったので、敗因はそれぞれはっきりしているので度外視。人気は控え目かもしれませんが、川崎コースは2戦2勝と相性抜群でマイペースに走れればここは楽しみな1頭でしょう。若手のホープ・中野省吾騎手とコンビを組みますが、「馬もしっかりしてきたし、今までで一番いい感じのように思いますね」と中野騎手も非常に楽しみにしている様子でした。
川崎の内田厩舎からクラウンカップの覇者ナターレとタイセイヴィグラスの牝馬2頭を送り出します。「ナターレは休み明けだけど、体は緩めてないし坂路で乗ってきた。トモが倍くらいになって帰ってきたよ。タイセイヴィグラスは前に比べると体質も強くなってきて、今までよりもしっかり攻め馬ができるようになってきた。前走以上のデキでは出せるね」(内田調教師) 2頭ともこの後はロジータ記念に進むプランがあるそうです。
ナターレ 船橋の佐藤(賢)厩舎は牝馬のハルサンサンと重賞初挑戦となるカンユウの2頭出しです。「ハルサンサンの黒潮盃(5着)はテンに行き過ぎた感じだな。今回は距離もあるから中途半端な競馬はしたくないし、後ろからいって終いの脚に徹したい。力はある馬だからね。カンユウはそこそこついていける脚もあるし、前でやり合ってくれた方が持ち味は発揮できそう。重賞初挑戦だから試金石」(佐藤調教師)
ハバナマティーニ(川崎・池田厩舎)は大井コースがあまりお好きではないようで……。前走の黒潮盃(14着)は放牧休み明けでも仕上がりは悪くなかったそうですが、「1度使ってさらにシャキッとした感じはありますね」と担当の村上厩務員。今回は左回りで見直しで、初ブリンカーの予定です。
ミカドポーネグリフ(大井・遠藤厩舎)は初遠征なので、川崎競馬場に輸送をして装鞍所とパドックは事前に見せて準備を整えてきたそうです。「前に比べるとトモに力がついてきて、馬自体も変わってきたと思う。左回りは初めてだけどそんなに気にならないし、長距離も得意だから頑張って欲しいね」(遠藤調教師)
中央転厩後叩き3戦目となるルービンシュタイン(川崎・高月厩舎)。厩舎サイドとしては前走は展開のアヤだったのでもっと走れていい馬と見ているそうです。追い切りをみっちりかけて、上積みは十分だそう。
ラブミーチャンの半弟ホクト(船橋・山本厩舎)。状態は非常にいいそうなので、あとは距離延長が鍵を握ります。
今回はリフレッシュの放牧明けとなるステップインタイム(川崎・河津厩舎)は仕上がり良好とのことです。東京ダービートライアル4着が物語るように長距離適性も十分。前に馬を置いた方が真剣に追いかけていくタイプだそうです。